【新たな設備を導入後、醸造技術面で可能になること】
vol. 8 2024-08-17 0
※このコラムでは、改修工事後に醸造面で可能となることについてお話しいたします。
写真:糖化(マッシュイン)の様子
さて早速ですが、ビール製造する過程で、液体は以下のように容器を移動します。
醸造:ブリューハウス
発酵:発酵タンク
熟成:貯酒タンク(発酵タンク)
充填:樽および缶
今回の改修工事によって、タンクが大きくなるだけではなく、ブリューハウスの能力面でも飛躍的にアップグレードします。
ブリューハウスとは、醸造日に使用する仕込み釜のことで、大きく糖化、濾過、煮沸、ワールプール(旋回)の4つの工程が行われます。
今まで、僕たちが使用してきたブリューハウスは2釜式で、2つのタンクでこの4つの工程を行ってきました。
一方今回導入するブリューハウスは4釜式。つまり1工程につき1タンクというビール作りとしては贅沢な仕様となっております。
写真:今まで使用してきた2釜式のブリューハウス
写真:これから導入する4釜式ブリューハウス(製造工場から送られてきた実際に使用する設備です)
このように、ブリューハウスを4釜式にすることによって、大きく以下の3つのことが可能となります。
1) Decoction / デコクション
主にドイツスタイルに使われる手法です。デコクションは、ビールを甘くすることなく、よりボディとモルト感を出すマッシュテクニックです。そのため、ドライな仕上がりでありながら、ボディ感とモルト感を維持することができます。より伝統的なラガービールなどを醸造することができます。
写真:ドイツの伝統的なデコクションの様子
2) Cereal Mash / シリアル糖化
米やトウモロコシのようなものを事前に調理することなくマッシュに加えて、ビールに新たなレイヤーを加えることができます。ライスラガーやメキシカンラガー、コールドIPAなど、より幅広い糖化方法が可能となります。
3) Bigger mash / より多量のモルトを仕様した糖化
モルトが多くなる=より高いアルコール度数のビールが醸造可能となります。以前のシステムでは8%前後が限界(シングルバッチ)でしたが、新しいシステムではそれ以上も簡単に狙えると思います。どんなビールを作ろうかな?
写真:今回のアップグレードでは、特にモルトプロファイルの幅が広がりますね。
以上のように、今回の工事では作る量が増えるだけではなく、醸造面でもいろんなことが可能となります。
まさに、Nomcraftらしく、いろんなことにチャレンジできるようになります。
ぜひ、そんな新しい取り組みにも注目してみてくださいね!
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