花男くんとの出会い、そしていきさつ
vol. 2 2014-12-10 0
監督の本多晃子です。
花男くんと初めての出会いは、音楽を通じてではなくて、そういう意味では、ドラマチックなものではなかったのですけれど・・・
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2008年、 私はカメラマンとしての自分のサイトを開設するにあたり、知り合いのデザイナーさんと打ち合わせを重ねていました。
ある時の打ち合わせで、彼が、
「今日はこの後、ぼくがジャケのデザインやDVD制作をしている太陽族ってバンドのボーカルと、ここで打ち合わせするんですけど、ちょっと早めに呼んだんです。本多さんに紹介したいと思って。」
と、言いました。
「花男くんて言うんですけど。ぼく、ずっと、花男くんは映画に出たらいいんじゃないかって、思ってるんです。本人も、興味があるみたいで。本多さんは、映画の仕事もしてるから、何かつながるんじゃないかと思って・・・」
その時の彼はいつになく熱い目をしていたので、ほう、そんなに。と、特別のことに思いました。ぜひぜひ、会いたいです、と言って、花男くんがやってくるのを待ちました。
現れた花男くんは、実に親しみやすい笑顔で、私に挨拶をしました。
そしてその笑顔で、これ、わたそうとおもってもってきたんです、と、かばんからいっぱい。
なんと、自分のレーベルから出ている太陽族のCDとDVDを、全部、くれたんです!
(あと、グッズのタオルも。Tシャツもだったかも。)
そんな人、いないです。
普通は、一番最新のとか、そのあたりのを多くても2〜3枚だと思うんですが。
えええ〜〜、って。どんな人なんだろう花男くんて。と。
なんというのか、垣根を越えてくる人、じゃなくて、垣根が見えていない人、というんでしょうか。さすが道産子。北海道の住宅には塀がないですからね(かく言う私も私も道産子ですが、ペナペナの心の塀はある気がします)。それは、空気が読めないというのとは、全然違うんです。
フムー!デザイナーさんが熱い目をして言っていた理由も、わかる気がしました。
その後、初めて太陽族のライブを見た時にも、驚きました。
ウソみたいに明るかったのです。私のように根がひねくれている人間にとっては、いや、ウソでしょう、という気がしていました。お客さんも太陽族も、良い「気」で満ち満ちていて、それは「月見ル君想フ」ってライブハウスだったんですが、月のことなんか忘れちゃうほどに、名前通りの太陽みたいな存在感でした。ああー、こんなに明るくてあったかい場所があるんだなあ・・・って。
ミュージシャンでなおかつ良い俳優さんというのは、数多くいらっしゃします。花男くんも、きっとその中の一人に違いないと確信したものの、なかなか紹介するような機会ももてずにいるうちに年月は過ぎ、やがてまさかの、当時は全く思いもしなかった、自分が監督で自主映画の企画が勃発。
主人公として真っ先に思いついたのは、当然、花男くんだったと、いうわけなのです。
「庭先の花が、」の主人公アキオくんは、花男くんが演じることで、とっても人間味のあふれるアキオくんになりました!早くそのアキオくんを皆さんにも見ていただきたいけれど、やっぱり、あの、デザイナーの矢島さんには、一番に見せてあげたいかな〜、と思う、私でした。