【一般公開記事】日本のラジオのあゆみ「地中篇」
vol. 25 2020-06-05 0
日本のラジオのあゆみ(地中編)
日本のラジオの今までを振り返ってみようと思います。
ちょいちょい、「カナリヤ」「ロマンランタン」のキャストとの出会いを挟んでいきます。
日本のラジオの旗揚げ公演はホームページによると2006年ですが、2005年にその前身である「ラジオ」という団体が「うたたねの森」「ちいむinugui」(どちらも今は活動していない)と合同公演をやっています。
団体名の由来、ネット上の質問でたまに回答してたりするんですが、改めてここに詳細を記すと、
2005年当時、飲み友達の石橋(ちいむinuguiの主宰)と花見をしようとする
↓
花見をする直前に雨が降ってくる
↓
蕎麦屋に入り、2人で昼から飲む
↓
蕎麦屋で新しく劇団を作りたいと打ち明けて、一緒に名前を考える
↓
なるべくニュートラルな名前が良い
↓
「日本テレビ」って名前どうだろうか
↓
「二本テレビ」にするか。ロゴは緑の豚に二本足が生えてるやつにしよう
↓
ちょっとダサいから「日本のテレビ」ってどうだろうか
↓
まだアレだから「日本のラジオ」でどうだろうか
↓
酔いがキツくなる
↓
「日本」いらなくない?
↓
「ラジオ」に決定
↓
一度合同公演をやる
↓
寝つけない夜にやっぱり「ラジオ」は主語がデカすぎると思い「日本のラジオ」に戻す(まだデカい)
↓
インターネットの時代がきて検索しづらいことに気づくが後の祭
↓
ツイッターなどで検索する場合は、“日本のラジオ”とダブルクオーテーションで囲むと分割されないので便利です
たまに「にっぽんのらじお」と読まれることがあるのですが、由来が「日本テレビ」なので、正しい読み方は「にほんのらじお」です。
あと便宜上、劇団と自称することもありますが、最近は「演劇を上演する任意団体」と称し、「主宰」ではなく「代表」、「劇団員」ではなく「構成員」としています。理由は単に斜に構えているだけです。なので、劇団とか主宰と呼ばれても特に訂正しないことが多いです。
結成当時のメンバーはヤシロ1人です。当初は「屋代の書いた戯曲を上演するための団体」だったので、旗揚げ公演と第3回は別の方が演出を担当しています。
第4回以降に「演出を他人にお願いするのが億劫になった」という理由でヤシロが演出をするようになりました。実のところ、演出としてもキチンとやろうと思い始めたのはここ5年くらいの話です。
ただ、自作を他人に演出してもらうのはいろんな発見があって楽しいので、最近、脚本提供のお仕事多くなってきたのはありがたいです。
旗揚げ公演は「アナタノイッテシマウノガ」というタイトルで、高村光太郎の詩からとりました。正宗白鳥の「入江のほとり」という短編小説をモチーフにしています。妹に片想いしている兄を軸にした、妹の結婚の準備に忙しい家族のお話です。稽古開始から本番までにキャストが半分くらい入れ替わっており、この十数年の演劇生活では、旗揚げ公演が1番しんどかったです。今は2番目くらい。
旗揚げ公演は劇場(中野あくとれ)なのですが、以降数年はコンパクトな公演を企図して、劇場でないところや劇場っぽくないところで公演しています。下北沢の銭湯の上にあったファインホールとか。宴会場みたいなとこでした。小家主さんがすごく優しいおじさんで、うち以外では初期のワワフラミンゴが会場にしていました。
第2回、第5回、第7回はデザインフェスタのブースを借りて、「路上公演」的な形式で上演しています。(しばらくデザインフェスタ行ってませんけど、最近はもう、パフォーマンス系はステージ上で時間を決めてでしかできなくなってると思います)第7回の様子はYouTubeに残っています。普通に周りがうるさいし見づらいので、期待しないで観ていただけるとありがたいです。
なるべくコンパクトにする方針は今でもそうっちゃそのつもりなんですけど、ここ数年はほとんど劇場公演でした。でも、ちょっと今回のこともあって、劇場公演だと不測の事態の金銭的ダメージがえげつないので、活動方針の基本に立ち返り、さらにアップデートする必要あるかなともちょっと思っています。日本のラジオは基本的に、お金を稼ぐよりも継続可能であることを重視しています。
2010年の第5回のあたりで、第2回から出演してもらっていた大学の後輩(演劇関係でなく、文芸サークルの後輩)が劇団員(当時は劇団員と呼んでた)に加わり、2人体制となりました。その際、劇団員から芸名にしたいとの相談があり、共通で好きな作品だった「死の棘」の作者の妻の名前をお借りしています。ちなみに当時の劇団員と共通で好きな作品は他に「赤毛のアン」があります。
第5回あたりまではわりと身内の狭い範囲で活動していたのですが、もうちょっとちゃんとしよう、友達じゃない人を客演に呼んだりしよう、と同じ年の第6回で、今回の「カナリヤ」「ロマンランタン」にも参加している横手慎太郎さん(当時はシンクロ少女の劇団員ではなかった)に客演いただきました。彼とはここから10年くらいの付き合いになり、結局友達です。
横手さんとの出演依頼の打ち合わせはファミレスで食事しながらだったんですが、横手さんがキングサーモンのソテーを頼んで、結局それ残してたので、(えらい小食だな)と思った記憶があります。カケコミウッタエの小屋入り中にみんなで焼肉屋行った時も、一番行きたがっていたのにほとんど食べなかったので、この初期のことを改めて思い出しました。
ちなみに最近もまだ出演いただいている俳優さんで、一番古いのは村山新さんで、旗揚げに出演していただいています。
確かこの頃に団体の現在のロゴも作成した気がします。ロゴをデザインしたのは漫画家の関根美有さんで、第6回のチラシも彼女に手がけていただきました。
これは普段あんまり使ってない方のロゴです。
実は今の猫ちゃんの前にもロゴ自体はありまして、ヤシロがアドビイラストレーターの練習がてら(第8回までチラシはヤシロが作成していました)に描いたおでんの絵(チビ太がもっているみたいなやつ)だったのですが、主に当時の劇団員から大不評でした。昔のロゴはデータ自体を紛失して見ることはできません。
第7回くらいまで猟奇事件、ヤクザは取り上げておらず、主に古典の翻案か、恋愛についての作品がほとんどです。(恋愛といっても児童とか死体とか近親とかですが……)
この頃のキャッチコピーは「観なきゃよかった」でした。「そうでもないよ」と気を遣ってくれる人が多くなってき(て面倒になっ)たので、だんだん使わなくなり、のちにリニューアルします。
クソ長くなってきたので一旦切ります。3つくらいに分かれそうです。
今でもまあたいしたことはないですが、旗揚げから2010年くらいまでは完全なる無名で、黎明どころじゃなく地中期です。
6/5 22:20追記
横手さん本人から「サーモン嫌いだからキングサーモンじゃないと思う」との指摘が入りました。なんか魚だった気がしますが、鶏肉かもしれないし、豚肉かもしれない。ライスは頼んでなかったと思います。お詫びして訂正します。