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日本初のドキュメンタリーカルチャー誌『neoneo』創刊!をクラウドファンディングで実現!

登録数3000を越えるメルマガが一新、日本初のドキュメンタリーカルチャー誌「neoneo」創刊!

「ドキュメンタリー映画の最前線」を掲げ、前身となる『neo』を含めると実に11年にわたって配信を続けてきたメールマガジン『neoneo』(編集長=伏屋博雄、映画プロデューサー)が、この春一新します。これまでのメルマガに代えて、紙雑誌+ウェブサイトで、より幅広く、より深く、映画を中心に写真や演劇、美術など、あらゆる領域で多彩な実りを見せる現在のドキュメンタリーの世界に分け入ります。

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このプロジェクトは、2012年12月30日00:00に終了しました。

コレクター
36
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残り日数
0

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このプロジェクトは、2012年12月30日00:00に終了しました。

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neoneo編集室

代表:伏屋博雄(映画プロデューサー)。 1960年代末より小川プロで活躍後、小川紳介の死後93年より製作会社ネットワーク・フィルムズ(のちビジュアルトラックス)を設立。2001年にメールマガジン『neo』を創刊、その後2003年に『neoneo』となり現在に至る。 2012年のリニューアルに際し、編集委員に若手数名をむかえて雑誌「ドキュメンタリーマガジンneoneo」を創刊。webマガジン「ドキュメンタリーカルチャーの越境空間neoneo」をオープン。2018年より「東京ドキュメンタリー映画祭」を主催する。

なぜか『宇宙兄弟』!

vol. 5 2012-05-31 0

コレクターの皆様、このページにお立ち寄りのみなさま、こんばんは。neoneo編集部・若木です。

しかし、まあ、なんというか、率直に言いますが、neoneoのモーション・ギャラリー参加(クラウド・ファンディング)は、なぜかくも壮絶にコケる、大惨敗のスタートになったのか。これは畑村洋太郎先生の提唱する失敗学の観点に基づきながら、ちゃんと検証せねばと思っています。「申し込んで必要なものを用意してアップしてもらえれば、あとはほうっておいてもコレクターが増えてくれる」と、我々もゆめ考えていたわけではありません。ありませんが、こういう結果から始まることになった。ここはいずれ検証して、これからモーション・ギャラリーさんへの参加を検討される各分野の方々の、参考になるようにしなければ、と思います。失敗情報の共有化・知識化というやつです。

さて! なんだか、若木個人のブログのようになりつつあるこのウォールです。ちょうどメンバーが作業と自分の仕事が重なり合う真っ最中なもので、若木ひとりが書いていてもうしわけないですが、しばらくはご容赦ください。

メンバー一同ががんばっている真っ最中のなか、僕は『宇宙兄弟』を見てきました。おもしろかったです。ゴキゲンでした。若木だけがあそんでいるようでヒドイですね。映画ライターは見るのも作業のうちなのだとご理解ください…。でも、楽しく見てきました。

全体の血の通った感じ、とてもいいです。邦画メジャーのシネコン映画にはあまり期待しないという辛口の方も(いや、「映画芸術」で書かせてもらったりしている僕も大きくはそちら側になる身なんですが)、老若男女にたのしんでもらえる、それゆえシネフィルには往々にして物足りなく写るバランス感覚のなかに、しっかりと低い重心があります。弱さや不安、恐れといったナーバスな心理に演出がことごとく敏感です。そのうえで明るくテンポよく描かれるネバーギブアップ・ストーリー。バネがすごく効いてる。

と、これではまるでホントに個人のブログになっちゃう。neoneo的に注目したい部分があったので書き始めました。ガガーリンやアポロ計画などの宇宙計画の歴史をアーカイヴ映像で語る部分のおもしろみです。

舞台は2020年代の近未来。主人公たちの乗るロケット打ち上げの前に、テレビでは現在までの宇宙への人類の挑戦のあゆみを、いわゆるV構成によって紹介します。つまり、現在=近未来。ドキュメント番組の手法で架空の内容を語る。この工夫が、ものすごく! おもしろかった。

森義隆監督は、「再現ドラマのタッチをガラッと変えた」と業界で評判とショックを呼んだNHK『わたしがこどもだったころ』などを手掛けた、番組ディレクターでもあります。その実績とノウハウ、センスが、東宝配給の近未来青春映画の、いいところで活かせているワクワク感に、僕はつい客席でガッツポーズをとりました。

同時に、気づきました。ああ、これだと。もしもneoneoが、ドキュメンタリー映画やテレビ・ドキュメンタリーの紹介・批評に特化する媒体なら、『宇宙兄弟』に触れる余地も発想もなかったでしょう。また、もう少し広く映画全体を扱う媒体においても、劇映画として語ることがメインとして求められたはずです。だから、近未来の設定のなかでドキュメントのつくりを活かす。現実と地続きのセンス・オブ・ワンダー。こういう魅力的にニッチな部分を語れる場がなかなか無くて、じれったい気持ちを味わっただろうと思います。ところが、neoneoでは、こういう部分こそを面白がれるのです!

ドキュメンタリーを特定のジャンルとしてではなく、表現方法のひとつとして捉え直してその価値と意味を汎・顕在化させていく。理屈っぽい言い方ですが、要は「ドキュメンタリー的表現」からものを見ていけば、従来のカテゴリーとは違う、新しい地図を作ることができる。neoneoの狙いそのものは、間違っていない。それに『宇宙兄弟』を見て気づけたということが、なんともスリルがあって、うれしかったのです。

ぜひ、みなさんにも、neoneoをそういう面白さを得るための「機能」として、利用し、活用していただきたいと思っております。イメージして頂けるロール・モデルのないことが我々のハンデでもありましたが、みなさんにとっては、大きなアドバンテージなのだと信じております。

実際、なんにでもドキュメンタリー的表現はある、と言いつつ、さすがにサイエンスフィクションの世界では難しいかなと思っていたけど、『宇宙兄弟』を見て僕の認識は変わりましたからね。惑星ソラリスでの数奇な体験を省庁の事業報告書形式で語ったり、21世紀半ばから始まったコンピューター自動筆記文学の歴史を文芸評論の形式で語ったりしてきた旧ソ連の作家スタニワフ・レムだって、形式としてのドキュメンタリー表現を存分に活用してきた人だったんだ、そっかー、と気づいたりして。

こういうおもしろがりかたを、ぜひneoneoでみなさんと共有したいと思っております!

 

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