そこが男の生きる場所/クランクアップまであと二日
vol. 74 2014-06-24 0
皆様にお送りしてきました、映画「ねぼけ」の撮影日記も、残す所あと2回。
撮影は、いよいよオーラス。
これまで落語の映画と言いながら、あまりにもコミカルな表情しかお見せしてこなかった三語郎こと、主役の友部さんのクライマックス、高座のシーンの収録を残すのみとなりました。
そしてその高座のシーンには、弟子三語郎を見つめる点雲師匠役、入船亭扇遊師匠もご出演されます。
今日はその扇遊師匠と三語郎、魂のぶつかり合いのシーンの撮影です。
舞台となるのは、落語界の聖地、鈴本演芸場です。
開闢は江戸末期安政4年、その前身となる「本牧亭」がスタートしたそうです。
ペリーの浦賀来航のたった四年後。日本中が新時代への期待で騒然としていた時でしょう。
そんな歴史ある演芸場で撮影させていただけるとは、なんと恐れ多いことか。
それもこれも、鈴本演芸場の支配人に当たる六代目席亭・鈴木さんが「扇遊師匠がやるならば」と、御尽力していただいたからこそです。
この厳粛なる舞台で、扇遊師匠にこの映画のためだけに一席、お願いを致しました。
そして壱岐監督も、ここで映画を撮ることの意味、この場所が落語界にとって持つ大きな意味を感じていました。
師匠の眼の光が一層厳しくなり、そこにいるのは、先ほどまでの師匠ではありません。
その空気は我々スタッフ全員を一瞬で包み込みました。
ここは師匠が何年も戦ってきた「戦場」なのだ、と…
映画の出来を左右するこのシーン。
カメラスタッフを増員して、一瞬も取りこぼさぬよう準備します。
そしてその「戦場」で、自らの師匠の高座を観る三語郎の胸に去来するものは一体何なのでしょうか。
三語郎の物語は着実に、クライマックスを迎えつつあります。
鈴本演芸場での撮影を終え、今日はエキストラさんを入れての高座シーンの撮影がもう一箇所。
中目黒のサッカーバー・ONCE(オンセ)さんをお借りして、三語郎ひとり会のシーンの撮影となります。
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13111951/
当HPでもエキストラ募集の告知をさせていただきましたが、こんなにもたくさんの皆様にご協力頂きました!
本当に有難うございます!
映画の撮影というのは、衣装替え、メイクアップ、アングルの決定、照明の調整、スタッフの位置取り、芝居付けなどなど、とにかく待ち時間が長いものです。
その待ち時間の間に、待ちくたびれたお客さんを見かねて、なんと師匠が即席で作った高座に上がって、一席披露してくれました!
素敵なサプライズにお客さんも大喜びです!
お客さんがいる限り、師匠にとってはここも戦場。
噺家の気概を見せて頂きました。
自分も常にこうありたいと思いました。その姿勢こそがまさに「師匠」でした。
扇遊師匠、本当に有難うございました!
そしてこのシーンではまたスペシャルゲストが登場!
このバーの女将さん役で登場、もりのめぐみさんです!
我々の映画では二作目の御出演。優しい口調の中に芯のある女将さん役を演じてくださいました。
同時期にやられていた舞台の演出上、髪の毛が丸坊主ですがw逆にきっぷの良い女将さんらしく見えますね。
収録は、三語郎が高座に上がり、それを陰ながら観る師匠と兄弟弟子の清蔵、といったシーン。
思いの外ハードボイルドなお二人。
設定上この二人は「お酒が飲めない」はずなのですが、壱岐監督、この二人の雰囲気に押され、ロックグラスで飲み物を用意してしまいましたw
(自分も全く気づきませんでした。お恥ずかしい^^;)
三語郎さんの高座姿。
着物姿もすっかり板につき、実に堂々たる高座でした。
真海もちょっと登ってみる。
こらこら、そこは男の戦場ですぞ!
そして撮影終了!
清蔵役・吉田智則さんは今日がクランクアップです!
渋くてクールな役どころ、とても素敵でした!お疲れ様でした!
もりのさんもわずか数シーンでしたが、お世話になりました!ありがとうございました!
そして明日のクランクアップの日に参加できないというメイクのヤマキング。
なんだかバタバタしてすっかりお疲れ様言うの忘れてしまいましたごめんなさい!
このご挨拶は打ち上げの時に改めて。
最後に、オンセのマスター・日高タダシさんと看板娘・神郡ミチコさん交えて皆でパシャリ!
今日のロケ地は、中目黒駅から徒歩7分、サッカーバー、ONCE(オンセ)さんに御協力頂きました!
サッカー中継のみならず、南米料理が本格的に旨い!実に居心地のいいバーです!
今この時期はブラジルワールドカップで連日大賑わいですよ!
皆様、是非!
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13111951/
次回、最終回。クランクアップです!