vol.ⅴ 取ろうか、カンヌ
vol. 5 2026-01-31 0
vol.ⅴ 【取ろうか、カンヌ】 20260131 松田
「取ろうか、カンヌ」
僕たちの口癖だったこの言葉。馬鹿だなあ、懐かしい。
撮影がはじまる前、毎日がワクワクでした。
「このまま世界が終わっても後悔しないかもしれない」と思った夜だってありました。
それくらい心は満たされていて、始まる前から終わって欲しく無いと思っていました。
制作の日々は、まるで夢を見ているようでした。
アカデミー賞だ、カンヌだ、と言いながら笑う。大きすぎる言葉たち。
意味のない会話ばかりだった。でもバカみたいな、会話にならない会話はきっと、同じ速度で歩いている人としかできない。そう思いました。
主演が決まったとき、僕は計画よりも気持ちを優先してしまい、大好きな人たちの顔を思い浮かべては声をかけました。
そうして、気づけば大所帯のチームになっていました。
製作陣のみなさんを困らせてしまったけれど、偉そうなことを言うと、あの輪の広がりこそがこの作品の核になった気がしています。
幼馴染、幼馴染の元彼の後輩、そのまた友達。
関係性は曖昧なのに、カメラが回るとみんな驚くほど真剣で、産まれる前から一緒でサッカーしか観てない人が、いつもいつもふざけて何言ってるか分からない人が、たまに一緒に走ったり服の話をしていた人が。
ふざけてばかりいた人ほど、誰よりも誠実な目をしていました。
長い時間を共有してきた人が、本気で何かに向き合う姿は、それだけで胸が熱くなるものなんですね。
夜、知らないうちに手を繋いで眠っていた相手(男)がこの中にいたという話も、もう有名です。
まあ、、、青春ですね。
蛍役の海也くんは、僕が俳優として歩き出すきっかけをくれた人です。
以前、海也くんに声をかけてもらって立った人生初めての現場。演技。ド緊張でした。。。
今度は僕が声をかけ、同じ景色を見てもらえるなんて。人生って本当に不思議です。
主演が決まった日、酔いながら語った僕と監督や助監督の核心のない曖昧な未来の話を、海也くんは笑いながら、でも真剣に聞いてくれました。
あの時間があったから、この作品はただの映画ではなく、僕たちが確かに同じ季節を生きた証になったのだと思います。
「みずひたしのくに」は、
仲間と過ごした時間が、そのまま閉じ込められた20代の夏の大切な思い出です。
この作品を、僕らと同じ夏休みの時間に入ったみたいに、そっと受け取ってもらえたら嬉しいです。
まだまだ話し足りないのでまた僕のターンが回ってくる事を願ってます。
造船部隊のみんな待っててね♡
以上
vol.ⅴ 【取ろうか、カンヌ】
松田大和
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