vol.ⅳ 助監督の藤井
vol. 4 2026-01-30 0
vol.ⅳ 【助監督の藤井】 20260130 藤井
わたしが、「脚本、書いてみなよ」と言った張本人。助監督の藤井です。
自分で言うのはおこがましいですが、この映画のきっかけとなった人です。
そして、監督の高校からの友人です。
何から話そうか迷いますね。なので、大学生らしく、目次を立てます。
1、監督、国道沿いでの決意
2、監督と主演、出会いとその後
3、助監督としてみた現場。―青く鈍色に光る幻覚―
4、見上げて、羽ばたいて
今書いているレポートよりも文章が書けそうです。教授ごめんね!!
監督、国道沿いでの決意
(文字数制限により、こちらは制作日記の方に書きます。)
監督と主演、出会いとその後
「…結婚しようか」
これは、大学の授業で制作した映像での台詞です。撮ったのは美術の山田、出演は松田大和でした。
この時私は二作目の監督作品『一軍のソファー』での男性キャスティングに行き詰まっていました。
画面の向こうで『結婚しようか』と呟く俳優は、その恥じらいを帯びるような、それでいてどこか達観しているような。明らかに一人、雰囲気の違う俳優さんがいました。私は、山田に会うやいなや「あの俳優を紹介してほしい」と声をかけました。
そうして出会ったのが、みずひたしのくに主演、松田大和です。
私の打ち合わせに監督の仁平も同席してもらい、そこで初めて監督と主演が出会いました。
出会いはもうすでに語られているので割愛します。
短い期間で、長く濃い時間を、監督と主演と共にしてきました。
本当に、心から、笑い合っている二人を見ている時間が好きでした。
二人が地面に寝転がったり、急にどこかへ走っていくのを見るのも好きでした。
夜中にかかってくる二人からの電話も、車内で二人が歌っているのを聞いているときも、大好きな時間でした。こんな曲知らねーよと文句を言っていましたが、今ではその曲たちは、私のプレイリストの中にいます。
気がつけば、いろんな場所に、曲に、たくさんの思い出ができていきました。
スクリーンショットしかなかった私のフォルダは、今や二人の写真でいっぱいです。思い出せるものがたくさんあるのは幸せですね。
20歳にして初めて青春を体験してしまいました。
助監督としてみた現場
―青く、鈍色に光る幻覚―
幻覚を見ました。助監督二人、同じ時間に。
そう、それはきっと青色のwing. 翼を授けられました。
助監督としてこの人数を仕切るのは初めて。慣れないこと、イレギュラーばかりでなかなか寝ることができませんでした。
皆が寝ている隣では、青白い顔をした助監督2名、机には赤ペンだらけの台本と香盤表のメモ。そして空いたコーヒーと、例のアレ、青い、翼の、ソレ。
窓の外は我々の意思に反して徐々に明るくなる。
綺麗な空を見て、苦笑いをしていた。とにかく、寝たかったのだ。
(文字数制限により、続きは制作日誌で!)
見上げて、羽ばたいて
監督が消えた。
ついにここまできたか…と思ったが、家の外のじゃり道に仰向けになっていた。
ただ星を見ていただけで、何も心配することはなかった。
そして私も隣に横たわり空を見上げた瞬間、星が流れた。
「あまりにも嘘すぎる!!」
正直思った。この前の時間は、助監督と監督で話し合いを設け、互いを高め合い、映画について熱く語り合い、涙を流した。その後の流れ星だ。あまりにも映画すぎる。いや、映画にしたらくどいまである。監督は、こんな奇跡をよく起こす。生き様が実に映画らしい。
流れ星を見て何を願ったのか、この映画が撮りきれますように。なのか、億万長者になるなのか、正直覚えてない。
ただ、この景色だけは幻覚なんかじゃない、例の青いソレがなくても翼が、この夜空に羽ばたいていけそうな翼が、授けられた気がした。
以上
vol.ⅳ 【助監督の藤井】
藤井七海
