【応援コメント11】SAVVY.jp・竹村匡己さんからコメントをいただきました!
vol. 22 2024-09-29 0
SAVVY.jpの竹村です。
映画、どうやって見てますか?
どうやってと言われても、映画館であるいは家のテレビで座って見てます。
ですかね。
いえいえ、そういう意味ではなくて、
映画をどう解釈するか、っていう。
その映画ができた背景とか、監督のキャラ、
キャスティングの妙やら、元ネタになっているものがなにか
などなど。
そういうバックボーンを知って見ると、
より深く映画を理解できるし、
次はこの作品を見てみよう、ってなります。
いわゆるディグるっていうことでしょうか。
とはいえ映画は、7つ目の芸術と言われるように、
いろんなカルチャーが複合的に織りなすものなんですね。
だからこそ解説するには、ものすごい幅広い知識が必要なんです。
それが映画評論家という存在なわけです。
そんな関西を代表する映画評論家・ミルクマン斉藤さんが、
今年の1月に亡くなられました。
ピンクのスーツに緑のシャツがトレードマーク。
(もちろん普段はその格好ではないです)
最初の出会いは、情報誌『エルマガジン』(現在休刊中)の映画班に配属されたとき。
映画紹介の原稿や、「星取り表」なるクロスレビューをお願いしていました。
右も左もわからない感じで、ミルクマンさんに原稿を依頼したり、
映画の感想を言ったりして、最初はまあまあな勢いで指導されました。
ものすごい早口で。
そりゃまあ、なんにも分かってない新人が、
プロ中のプロにわけもわからず適当なことを言うわけですから。
おそらく当時ミルクマンさんは40代で、一番勢いがあった頃。
今になって思えば、逆に優しい対応だったのではないかと思います。
とはいえ、「教えてください!先生!」とアプローチすれば、
「仕方ないなあ」みたいな感じで、いろいろと教えてくれました。
ものすごい早口で。
本当に映画とかカルチャーが好きな人だった、と
改めて思います。
話し出すと止まらないので。
忌憚なく映画評を書いてこられるので、
ほめるときはぶっちぎってほめるけれど、
逆に、ダメなときはとことんダメだしをするので、
原稿を巡って映画会社とバトルになることもしばしば。
宣伝をする映画会社としては、そこまでボロカスに書かれると困るのも分かりますが、
ミルクマンさんも一歩も引かないので、
間に入る編集は板挟みに。
もちろん、ミルクマンさんの原稿を最優先するのですけれど。
その後も、『ミーツ・リージョナル』『サヴィ』でも、
お世話になりました。
そんなミルクマンさんの早すぎる死。
彼のいままでのテキストを後世に残すべく、
クラウドファンディングがはじまりました。
今の時代、あそこまでまっすぐに映画を批評できる人は少ないと思います。
昔の映画のアーカイブとしても使えるかと。
関西にミルクマン斉藤あり、を今一度知っていただければ。
それではどうぞよろしくお願いします。
(本人の了承を得てSAVVY.jpからの転載となります)