【記録集】第1章ためし読み|“マイトリエンナーレ”の誕生
vol. 3 2017-04-13 0
いつも応援してくださり、ありがとうございます。
今回は、制作中の「記録集」から一部を抜粋してご紹介します。
第1章は、さいたまトリエンナーレ2016の芹沢ディレクターをはじめ、サポーター・コーディネーターの藤原さん、市民サポーターの直井さんと八木さんが、座談会形式でサポーター活動を振り返る必見の内容となっています。その一部を、ここに公開します。ぜひ、ご一読ください!
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“マイトリエンナーレ”の誕生
直井:今回、さいたまトリエンナーレのサポーター活動で面白かったことは、「用意された活動」というものをやらなかったことだと思っています。たぶん何一つ頼まれてやったサポート活動はないですね。あるのかもしれないけど、そこに自主性があって、振り返った時に自分のこととして反省と課題が見えてくるのが楽しいことなんですよね。
——では、サポーターとして実際に行った活動は?
直井:私はトリエンナーレを知ってすぐに「記録集を作りませんか」とボランティアの登録時に書いたんです。初めてサポーター・ミーティングに参加した時、15人ぐらいの前で「自分たちの活動を残すのが財産だからやってみませんか」と言って企画書を出したのが2016年の6月初旬。そこで話した内容が“アートの入り口を作ろう”“身近なあの人のために作ろう”という2つのビジョンだったんです。
さいたまにいるけどアートに関心のない人たちと、アーティストやプロジェクトをつなげるアートへの入り口になるものをつくろう!さらに、記録集の制作だけでなく、トリエンナーレの会期中にも出来ることがあったらやってみよう!という呼びかけをしました。
それから「マイトリエンナーレ(トリエンナーレを自分事として自分らしく楽しむ)」という言葉と出会って、「ながラジオ」や「さいたま街歩きツアー」、「未来トークさいたま」などの活動が、多くのサポーターを巻き込みながら派生していきました。
——編集会議は、どのような様子でしたか?
直井:最初の会議には有志で15人ほど集まりました。「やってみたい」と言って集まってくれた人がこんなにいて、すごく感動しました。「なんかすごいな、この宝物みたいなものは何なんだ?」という状況だったんですよ。それから、さいたまトリエンナーレをサポーター目線で情報発信することを目的として、サポーター有志グループ「メディアラボ」を立ち上げました。
——芹沢さんは、このサポーターの熱を帯びた状態をどう感じていましたか?
芹沢:結局こういうアートプロジェクトって出来上がった作品を持ってきて展示するタイプのものとは違うじゃないですか。そういうのに長けている人が今回は、さいたまトリエンナーレの「市民参加」というコンセプトをしっかり理解してくれていて、自分の作品を作っていくなかで、なるべく他の人と関係していくようなものや仕組みをつくろうとしてくれている作品が多かったですね。
——たとえば?
芹沢:明後日新聞の社主でもある日比野克彦さんもずっとそういうやり方をしてきたプロ中のプロであるとも言えるし、作品や活動がプロジェクト内プロジェクトみたいなものであって、勝手にそれが増殖していくのがある意味、目的となっていますね。だから、サポーターの動きをはたから見ていると“まんまと”っていうか、「マイトリエンナーレ」という言葉が象徴しているよね。
一同:(笑)
芹沢:別にこういうのって12月11日で終わりましたって話じゃない。どこを残していくというより、火がついてしまっていて、続いちゃっているわけだよ。それがどう活気をもってずっと続いて行くかがすごく重要で、僕自身は関心がありますね。
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お読みいただきありがとうございました。
第1章ためし読み第二弾は、「記録することについて」をお届けします。
また、多くの皆様のご支援のもと、お蔭さまで目標額の40万を超えることができました!ありがとうございました。
皆様の期待を胸に、記録集の制作にますます励んでまいります。
引き続きご支援いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。