あと16時間。クラウドファンディングを選んだことについて。
vol. 7 2016-03-31 0
目を疑いました。
皆さんのお陰様で、なんと残り2日にして目標金額を達成することができました。
昨日おとといは泣きっぱなし…
この二ヶ月、クラウドファンディングのことが心に重たく伸し掛かっていて、気が気じゃありませんでした。携帯がバキバキでも、車がボコボコでも、コンタクトレンズ買えなくても、切り詰めて切り詰めて。
「資金を募っている最中なのに、自分の携帯や車を修理するの?」
「実家のある木更津に住んでいるのに一人暮らししてること、贅沢だと思わないの?」
「支援してもらってるのに外食してていいのってみんな思ってるよ?」
「整体も、美容院も、人から見たら娯楽でしょ?そんな贅沢する余裕があるならCD制作に回しなさいよって思われるよ?」
と、もう一人の私が、四六時中わたしを監視していました。
「あいつ、あんなにお金を集めて、懐に入れようとしてるんじゃないのか。飲みに行ってるんじゃないのか。」そんな誤解を招かないように、ちゃんと制作のレポートをしなきゃ。
誰ひとり私にそんなことを言う人はいなかったのに、自分が自分に対してすごく厳しくなってしまって、勝手にプレッシャーをかけていたんですね。
自分にかけていた圧力。
それが一昨日、かけがえのない友人であり尊敬するシンガーソングライターの引田香織ちゃんのツイートを読んで、一気にぶわーっと決壊してしまいました。
「わたしにお金をください!」て叫ぶこと自体「自分の好きなことやってるだけでしょ?」と鼻で笑われたらどうしようって、繊細な彼女には 死ぬほど勇気のいることだったと思います。でも彼女は 人の力を借りることを選んだ。周りの人を信頼したんです。そして自分の才能を。そのことが最高に美しい。
— 引田香織 (@hikitakaori) 2016年3月29日
香織ちゃん、ありがとう。
私が上手く表現できなかった気持ちを、代弁してくれてありがとう。
そう、私は、「自分の好きなことやってるだけでしょ?何で他人から資金を募るの?」と言われるのが、怖かったです。
3/26(土)に香織ちゃんも出演してくれた「かずさキャンドルナイト」。木更津で企画しています。
なぜ、クラウドファンディングを選んだの?
私がクラウドファンディングという方法を選んだのは、一方的な「支援」が苦手だからです。与えられてばかりいると「何かお返ししなきゃ…」と恐縮して、身動きが取れなくなってしまうから。過去に、「これだけ助けてあげたんだから、もっと大きなものを返してくれるよね?」と迫られ、返せず、相手が怒り出す…ということがあって、それが本当にトラウマになっていて。「だったら自分ひとりでやろう」と思ったことが今のベースになっています。
きっとその時は私自身、何をやりたいのかがブレていたんです。「付け入る隙があった」んだなと思うし、ほんとうに助けようとしてくれる人からすれば「この人、何がやりたいのかわからない」という感じだったんだなと思います。
今、何をやりたいのかがはっきりして、だいぶ「えへ、じゃあ甘えちゃいます。ありがとう!」が言えるようになったけど、まだまだ心が怖がって付いてきていない部分もあって。クラウドファンディングは、支援してもらう代わりにリターンを送る。前払いのような感覚で支援できるのが気持ちいいなあと思ったんです。金額を選べるのも好きです。それぞれがそのときの気持ちや経済状況に合わせて支援ができるから。
音楽活動を初めてすぐの時だったら、クラウドファンディングはできませんでした。当たり前ですが、そもそも「新しいCDがほしい」と思ってくれる人がいなかったら、成り立ちません。
今まで4枚のCDをリリースして、「毎回これくらいは確実に売れている。だったら、資金を募っても集まるかもしれない」と思えたから、今回踏み切ることができました。皆さんが今まで買ってくれた一枚、ダウンロードしてくれた一曲、YouTubeで聴いてくれたこと、ライブに来てくれたこと、TwitterやFacebookでのRT&シェア、そのひとつひとつのお陰様で、私は活動ができています。ほんとうにそうなんです。ありがとうございます。
私だけじゃない。普段わたしたちが食べているもの、買っているもの、すべてが、生産者を支援することに繋がっているんだなあと、最近ひしひし感じます。そういう視点に立つと、コンビニで何かひとつ買うのも気持ちが変わってきました。
私も、これを読んでくれているあなたも、働く仕事、生きることすべてが、社会を回しているんだなあと、今更ながら実感しました。
この約10年、少しずつ活動の幅が広がって、松本佳奈の音楽を好きと言ってくれる人が増えて、助けてくれる人が増えたから、『魔法の手のひら』ができました。リターンの発送も、経費の試算も、裏方で一緒に動いてくれる人がいます。音楽の制作も、命懸けで真剣に、一緒に作ってくれている人がいます。
やっと、自信を持って、「私はこういうものがつくりたい」「こういうことがやりたい」と言葉にできるようになりました。上手く人と関われなかった経験も、何がやりたいのか悩んだ経験も、今までやってきたことが全部繋がりました。きっと今、この瞬間も、少し先の未来に繋がる一点なんだと思います。
この一点を、あなたと一緒に経験できて嬉しいです。
私がやりたいこと
私が最終的にやりたいことは、人が、見栄を張ったり、誰かを妬んだり憎んだり否定しなくても安心できる場所をつくること。自分の言葉で自由に喋れる場所をつくることです。
そこにいる誰もが、風や空を感じて、おいしいものを食べて、笑い合える場所。
近過ぎて上手くいかないなら、少し離れてもいい。
自分と考え方の違う人を叩き潰すんじゃなくて、適度な距離を見つける。
わかっていても身動きが取れなくて苦しいとき、心が癒えるまで耐えるしかないときこっそりと吸う空気のような…自分の音楽はそんな存在であればいいなと思っています。
まずは一歩。木更津はもちろん、地方や世界に足を運んで、その土地にしかないもの・人と、ライブを作りたい。田植えをする、土作りをする、収穫をする。自然の中で、美味しいものを食べる。丁寧につくられたものを眺める。満天の星空を目の前にしたら、涙が出るほど美味しいご飯を食べたら、げらげらと笑ったら、自分を嫌う気持ちや誰かへの嫉妬心なんて消し飛んでしまうと私は思っているんです。だから、そういう場所をつくります。
もっと世界を見たい。同じような気持ちで行動している人と出会いたい。
生活を切り詰めて息切れしながらの活動じゃなくて、想いを込めたものを作って、ライブをして、そこでちゃんと得たお金でまた自分を広げていきたい。つくりたい場所を実現していきたい。今ほんとうに強くそう思っています。皆さんからの応援が、循環して、世界を巡る。そんなイメージが私の中にはっきりとできました。本当に、皆さんのお陰様です。ありがとう。
クラウドファンディング、目標額はクリアしていますが、期間は明日いっぱいまでです。(3/31 23:59)3,500円以上ご支援くださった方には、わたしから直接新譜をサイン入りで郵送させていただきます。
あと少しで完成だ!
どうぞよろしくお願いします。
詳細はこちら↓
https://motion-gallery.net/projects/matsukana_5thalbam_project