レコーディングのこと〜タキモティとわたし〜
vol. 8 2016-03-31 0
コーラスで参加してくれたタキモティこと滝本亜由美さんは、私がソロで活動を始めた2008年の最初のステージから一緒に活動してくれていた大切な友人です。
知り合ったのは18歳のとき。
実はその頃、私は音楽の道を目指そうと受けたオーディションで、まんまと詐欺音楽事務所に引っ掛かり、3年ほど「プロデュース料」「レコーディング料」「レッスン料」などと称したお金を取られ続けていました。友人や親から借りたり、クレジットカード、学生ローンで借り入れし、気付けば総額500万ほどの大きな被害となっていました。
「おかしいな」と思うものの、詐欺師が怖すぎて逃げられず、最終的に警察本庁に相談しに行きましたが「被害の額が小さいので犯罪として弱い」と一蹴され、泣き寝入りするしかありませんでした。
今こうして文章にすると壮絶ですが、自分の中では10年も前の出来事なのでだいぶ薄れていて、笑い話にできるくらいです。人は強い(笑)
その詐欺事務所で知り合ったのが、タキモティでした。
彼女も大きな被害に遭いました。
当時は周りに話しても「なんで気付かなかったの?」「なんで逃げなかったの?」と言われることが多くてかなりしんどかったのですが、気持ちを共有できる彼女がいたからあの時期を乗り越えられました。
当時の歌声は今と全く違うし、「なにをやりたいのかわからないけどとにかくこのままじゃ終わりたくない」みたいな時期なのでお見せするのは恥ずかしいのですが、タキモティに支えてもらって活動していた2009年頃の動画を貼っておきます。
2009年、田無アスタにて(撮影:村松さん ありがとうございます)
声が合わさった時の心地よさ。
あの一体感は、タキモティの声じゃないと出せないのです。
詐欺で苦しんでいた時期も、casual comfortとして活動していた時期も、ソロを初めてボロボロになっていた時期も、そこからだんだんと成長していく姿も、全部見守ってきてくれたタキモティ。
前作、前々作のアルバムをレコーディングしたとき、「やっぱりコーラスはタキモティにお願いしたかった…」と、ずっと思っていて、今回の『魔法の手のひら』は絶対に彼女に頼もうと決めていました。
「大人だってさ」「平和への祈り」「灯」の三曲に入ってもらっています。
天の声のような、ほんとうに美しい声で、楽曲の世界を広げてくれました。しばらく一緒に歌う機会がなかったのに、不思議と以前よりももっと声がしっくり来ました。
私が気に病む細かいことを「そんなこと気にしてるの〜?(笑)」と笑い飛ばしてくれたり、「大丈夫だよ」と励ましてくれたり、「そこはしっかりしなさいよ」と釘を刺してくれたり…お互い忙しくて頻繁に会えなくなってしまったけど、今回アルバムに参加してもらえてほんとうに嬉しいです。
クラウドファンディング、あと14時間。
どうぞよろしくお願いします。
詳細はこちら↓
https://motion-gallery.net/projects/matsukana_5thalbam_project
ついに『魔法の手のひら』トレーラーができました。
ちょこっとずつ聴けるのでぜひ。
さっきのカントリーロード聴いたあとだと感慨深いですね。笑