レコーディングのこと〜その2〜
vol. 5 2016-03-24 0
はい。やっと、書けます。肝心のレコーディングのこと。
それは2月中旬、5日間に渡りました。
最初の2日間はドラム・パーカッション・ベース・ギター・グランドピアノ・歌など、根幹になるものを中心に録り、あとの3日間はチェロ・コーラス・ペダルティールやウクレレ・バンジョー・マンドリン・アップライトピアノでの弾き語りなど細かいものを録りました。
最初の二日間お世話になったのは祐天寺のスタジオ、MECH。
ビールが無料というパラダイスのようなスタジオでしたが、とてもじゃないけど飲んでいられるような状況ではない上にわたくし車移動。蛇の生殺し状態。
レコーディングメンバーは、アレンジ担当・佐々木真里さんの繋がりでお声がけいただいたので、私は全員初対面。ただでさえ人見知りなのでものすごく緊張しましたが、皆さん非常に優しく、音を合わせるのがとっても楽しく、曲を良くするために色々とアイデアを出して下さったりして、とてもとても充実した二日間を過ごせました。
左から、パーカッションのトガゼンさん。
ギター、バンジョー、ウクレレ、ペダルスティール、マンドリンの安宅浩司さん。
ベースの海老沼崇史さん。
ピアノ、アコーディオン、グロッケン、そして今回収録される楽曲たちのアレンジ、プログラミングすべてを担当してくださった佐々木真里さん。
レコーディング、ミックス、マスタリング、そしてフルートまで吹いて下さったエンジニア上野洋さん。
ドラム、sugarbeansさん。
せーので、全員で、録りたい。一発録りがしたい。
願いが叶いました。
一日目は、『灯』『大人だってさ』『平和への祈り』の録り。この3曲が今回のアルバムの「幹」の部分になります。グランドピアノでのレコーディングは初!『大人だってさ』は私が、他の二曲は真里さんが弾きました。ペダルを踏む音、タッチの強弱、すべてそのまま録音されます。
ものすごーく緊張しましたが、最初の『灯』の音出し段階でエンジニア上野さんが体を揺らしてリズムに乗りながら音調整してして下さっているのを見て、ホッと安心しました。
歌も、楽器隊と一緒に録ります。ブースは分かれていますが、せーので一発録り。『灯』の後半の、「まだ見ぬ君に遺していけるように〜ウォォウォ〜♪」(あれっ…カタカナで書くとなんか面白い感じになっちゃうな…)の部分は、オケの勢いに助けられて、今まででいちばん自然に盛り上がって歌うことができました。ぜひ聴いてほしいポイントです。
『大人だってさ』の二番、「あれもこれも何でもしてあげたのに」という歌詞のあと、「ぴ〜〜ぷ〜〜〜〜」と、遠鳴りする笛が入ったのですが、これはパーカッション・トガゼンさんのアドリブ。ピッコロポッコロという可愛い笛だそうです。この音がなんともシュールで、みんな聴きながら笑いがこみ上げていました…ほんとうに「何でもしてあげたのに〜〜どうして〜〜!」という哀愁が漂うピッコロポッコロなのでした(笑)
『平和への祈り』は、「土っぽくしたい。太古のお祭りのように!」という私の抽象的なイメージを、真里さんがとっても壮大で豪華なアレンジで形にしてくれました。最後、「ラララ〜♪」と全員で歌う場面があるのですが、この日のレコーディングメンバー全員でコーラスしていただきました。リズムで言葉の壁を超えたい…と思って作ったこの曲。各国の言葉で「平和」と連呼するラストのサビ。祈りが届きますように。
二日目のメンバーは、一日目に引き続きエンジニア上野さん、ドラムsugarbeansさん、ベースの海老沼さん、佐々木真里さんに加えて、ギターの設楽博臣さんが参加して下さいました。
この日は『魔法の手のひら』『燃えるごみ』『あいしてる』を録りました。
『魔法の手のひら』『燃えるごみ』は自分でピアノを弾きました。
『魔法の手のひら』は、海老沼さんのウッドベース、設楽さんの甘いギター、sugarさんのブラシを中心としたドラムと、私のピアノ。参加楽器が少ないぶん、一人一人の演奏が目立って、個人的には非常に難しかったです…。しかしどうしてもこの雰囲気を出したかった!
ピアノだけで録ったら恐らく緊張してミス連発だったかもしれませんが、せーので録ったお陰で他の皆さんに助けられ、最後には納得できるテイクが録れました。
友人に「手当て」してもらったことをきっかけに作ったこの曲。まずは自分を抱きしめる、というテーマが、今回のアルバムにぴったりだなと思い、タイトルにもなりました。
『燃えるごみ』
とにかく思い切りやりました。爆発してます(笑)後奏、設楽さんの狂ったエレキギターが大好きです。演奏していて楽しかった!出だしのドラムの何かをぶち破る感じや、ベースのフレーズが非常にカッコ良いです。
作品の中では「ヒール的」(悪役的な)立ち位置のこの曲。重要なスパイスになっています。
『あいしてる』は、真里さんのピアノ、設楽さんのギター、そしてなにより私の歌い方が命でした。緊張でどうしても高い部分が出ず、苦戦しましたが…音程がきちんと当たることよりも、感情を表現することのほうが大事!と思い、吹っ切って歌いました。「こんなに笑ったら こんなに嬉しくて 塞いだはずの心が外に出たいと私を揺さぶる」という大サビ部分では、主人公の心の揺れ・泡立ちを、真里さんがアレンジで表現してくれています。必聴。
MECHのアシスタントエンジニア谷口さん。
若い。可愛い。そして仕事がデキる。
「アンジェラ・アキに似てるね」との言葉に、「え?アジの開きに似てる?」と豪快な効き間違えをしたという伝説の持ち主。二日間お世話になりました。ありがとう!
長くなりましたが、レコーディング1〜2日目はこんな感じでした。濃い二日間だった。
「出来上がりが楽しみ」と、参加メンバーみんなが言ってくれて、本当に嬉しかったのです。
レコーディングのこと〜その3〜に続く。