津森孝平さん:出演者インタビュー
vol. 79 2015-10-11 0
今回のインタビューはツモリ製薬の津守社長役の津森孝平さんです。
津森さんはマメヒコの取引先の企業にお勤めですが、海外勤務のご経験が長く、
英語も堪能でいらっしゃいます。
井川監督とは、マメヒコのニューヨーク出店準備での様々なご縁がつながって、
お知り合いになりました。
―井川監督から映画ご出演の声をかけられた時には、どんなお気持ちでしたか?
最初は冗談かと思いました(笑)。
映画出演といっても当初はエキストラ程度かなと思っていましたし、
そうではないとわかった段階で、映画製作に関わる方々に
ご迷惑をかけてはいけない、と三回くらいは断りました。
その後も辛抱強くお声かをかけて頂いて、「ほとんど台詞はありませんよ」
と言われたこともあり、ようやく出演をさせて頂く気持ちになりました。
井川さんが取引先かどうか、ということは全く関係なかったです。
撮影期間も一日くらいと思っていましたので(笑)
ただ、7月に皆で顔を合わせて本読みを行ったときは、正直後悔しました。
他のご出演者の皆さんは、とてもお上手でしたから。
その後、9月に台本練習に事務所に伺った時も、井川監督との世間話で
終わってしまったのですが(※)、何故かその時には「やるしかない」
という覚悟は出来ていました。
※その時の様子は、井川監督がアップデートページ(vol.64)書かれています。
初めて演技を行う、ということについては、自分の普段の言葉遣いとは
違う台詞がたくさんあり、その部分は憶えにくくて、抵抗がありました。
ただ、役柄そのものについては、力んで何とかなるいうものではないので、
撮影中も自然体を心掛けていました。
―井川監督の人柄について、お感じになったことを伺えますか?
一言で言うと才能豊かで、マルチタレントな人物。行動力も含めて
すごい方だと思います。
自分は海外に行って、ビジネスを大きくする、ということ何十年も
やってきました。
何かを成し遂げる、という考え方のアプローチにおいては、
日本と海外では大きく異なります。
日本では何か一生懸命やれば、いつか到達点に達するとい考え方ですが、
海外のビジネスでは、まず目標を定めて、その達成のためには
今日何すべきかを考えるというプロセスを踏みます。
いつの間にか、そういう欧米流の思考方法に感化されていた部分があり、
仕事でも趣味でも何かターゲットをつくって、戦略を立てながら
それに向かい達成していくそれを一生続けていくということを
一つの生き方の理想としていた気がします。
それが、井川さんや影山さんの話を伺っていて、それまでの自分とは
違う生き方というものを見た気がしました。
井川さんはもっと日々を生きる、ということに焦点を当てています。
毎日の何気ない出会いや別れというものが、もっと意味が深いものであり、
それに感謝をするということ。
それは自分には今までない視点というか、何十年も無視してきたことでした。
それをこの歳になって思い出させてくれた。
だから、出演をお引き受けしたということもあります。
その一方で井川さんは、チャレンジをすること、何かを成し遂げる
ということへの意思や情熱も同時に併せ持っています。
両極を併せ持つそのキャラクターは、とても魅力的ですし、
お話しをしていても気づかされることが多いですね。
―井川監督の作品についての感想をお聞かせください。
過去の作品では、第二作映画である「さよならとマシュマロを」
を拝見しましたが、最後のほうでは涙がでましたね。
海外勤務が多い中で出会いや別れも沢山ありましたし、
実は自分の親戚なり親しい人が亡くなる場面に立ち会うという経験は
多くしました。
でもそういう経験をする中で、人は本当に優しくなれるのだと思います。
井川さんの映画はしみじみとして、大人の人が観てもとても良い映画です。
敢えて起承転結を無くしていると言いますか。
今回の映画も、多くの人に観て頂けるように、自分自身でも宣伝して
いきたいですね。
―クラウドファンディングに参加して下さっている方々、
またこの映画を応援して下さっている方々へのメッセージをお願いします。
映画出演の機会を与えて頂いて、本当に感謝しています。
私の役目は、井川さんのような才能がある人を広めて活躍できる場をつくる、
という応援をすることだと思っています。
私は自分の子供にも、いい会社に入りなさい、と言ったことは一度もありません。
成功というのは、必ずしもお金のことではありません。
自分が何かをやった、ということへの人生の満足感。
それを井川さんは自らの身をもって実践しておられます。
映画を通じて、観る方々にも何かを感じ取って頂ければと思っております。
インタビュー担当:松田