【ルンタWEB通信009】花に囲まれた生活~ルンタ・プラント計画
vol. 11 2018-05-05 0
ルンタプロジェクト代表:中原一博
ルンタ・プラント計画の始まりは、1年以上前にHIV/AIDS支援団体シャクティミランサマージュの代表であるゴマさんと最初に会ったときの話しからである。ゴマさんに会うことになった経緯は、当時すでに馴染みとなっていた人身売買被害者支援団体であるシャクティサムハに、私から「人身売買+HIV/AIDSの人たちの支援団体を知らないか?」と尋ねたとき、「それなら、自分たちの会から分かれた団体がある」と言われ、紹介されたのだった。
ゴマさんから団体の活動、現状などを聞いたのち、最後に「何か今からやりたいこと、将来の夢のようなものはないか?」と私が訪ねた時、彼女が「あります。誰にももう追い出されない土地でできれば50人ぐらいの女性と子供が農業などで自活しながら生活できればと思っています」と答えた。
私はかねてより、農業開発に興味があった。でもその時すぐに、なぜか様々な花々に囲まれて明るく笑いながら暮らす人たちのイメージが頭に浮かんだのだ。私はすぐに「素晴らしいと思います。やってみましょう!」と答えた。これが始まりである。
最初は50人が十分暮らせる広々とした土地を手に入れ、園芸と農業で暮らすという構想であった。しかし、現実はルンタの力不足もあり手に入れることができた土地は広くなく、収容人数も半分以下である。それでも、まず小規模でもやってみて成功すれば、規模を拡大することは難しくないと思っている。
準備のために自分の部屋がある、カトマンドゥ市内のビルの5階屋上を使って始めた多肉とランの栽培は順調だ。売れ筋も見えてきた。個体数も増え続けている。早く施設ができて温室もできて、植物たちを移動しないともうスペースが足りなくなってしまった。
植物を大切に育てることは必ず彼女たちの心を癒すことになると信じている。
暮らすために花を育て、花に囲まれて過ごすのである。