ロモグラフィー代表インタビュー「レンズは写真表現に大きく貢献する」
vol. 31 2016-05-17 0
2016年4月、ロモグラフィーの代表である サリー・ビバウィーとマティアス・フィーグルが『Daguerreotype Achromat Art Lens』のクラウドファンディングプロジェクト開始に先立って7年ぶりに来日!そこでMotionGalleryの代表である大高氏がインタビューを決行!ロモグラフィーの軌跡や新商品づくりに対する情熱を聞き出してくださいました。
そちらのロングインタビューから抜粋したものをご紹介します。全容は コチラでご覧ください。
左からマティアス、サリー、大高さん
――オールドレンズを現代に復刻させようとする情熱はどこから来ているのですか?
マティアス: 私たちロモグラフィーはマニュアルのレンズを使うことで、写真の過程を楽しむことをすごく重視しています。写真の表現を左右するのは撮影する人がどのようにクリエイティビティを発揮できるか、そしてそれを大きく左右するのはやはりレンズではないかと思っています。撮影している側の行動を変えるレンズ作りを意識することで、撮っている側の気持ちであったり、行動パターンであったり、普段とは全く異なるクリエイティブな部分を引き出せること。それが私たちにとって変わったマニュアルレンズを開発する意味であり、使命だと考えます。これは、アナログ写真とすごく通じています。実験的でクリエイティブにならなきゃいけない。自分で考えて撮影しなきゃいけない。自分のことを理解する必要もあり、レンズの事も知る必要がある。こういった「学んでいく過程」がすごく大事だと思っているんです。だからレンズ、中でも面白いレンズ、歴史的に意味のあるレンズ、興味深いストーリーがあるレンズを発表することに、現在注力しています。
サリー:私たちはアナログ写真の価値を理解していますが、同時にデジタル写真のクリエイティブな可能性についても多くのアイデアを持っています。アナログであれ、デジタルであれ、レンズは写真表現に大きく貢献します。写真に大きな影響を与えるのはデジタルかアナログかではなく、ピンボケでもなく、ユーザーインターフェースでもなくレンズです。
―― 「タゲレオタイプ」というワードそのものが持つ魔力は、写真家の方々だけでなく映画などの映像に取り組んでいる方にも魔力的な響きを持っているものだと思っているのですが、今まで以上に提案したい視座などはありますか?
サリー: 創設当初から、私たちはただ製品を通じてユーザーのクリエイティビティを触発するキッカケを与えることを目的としてきました。それは、例えばあなたが何かを最初に蹴ればそれが勝手に転がっていくように、人々は実験し試行錯誤することで、はじめて素晴らしい成果が得られるのです。私たちは人々に、決まったルールや、手法、こういうやり方でないといけない!などとは決して言いません。なぜなら、私たちはどんな素晴らしいものができるかをユーザーから学び、体感したいと思っているからです。そしてユーザーの一人一人の個性がありとても魅力的で、自分たちのアイデアを発展させ始めると信じています。
また、映像に関しては私たちにとっては新しい分野ですが、現在レンズやフィルムでどんどん映像このコミュニティーにも参入しています。実際、既に著名な監督が私たちのレンズを、現在製作中のハリウッドの大作映画に使用される事になっています!ちなみにこの前のジュラシックパークの映画では、劇中にDianaという弊社カメラが映画内に登場しました。
―― これまでクラウドファンディング何度か経験されて、よかったことや成功の要因を教えてください。また、今回はどのような人にどういった出会いを期待しているかを教えて下さい。
サリー: 私たちは、MotionGalleryやキックスターターという素晴らしいプラットフォームに集まっている、審美眼の鋭い人たちの眼鏡にかなうメーカーであることを大変誇りに思っています。なぜなら、クリエイティビティを理解していると見なされていると感じることができ、これはすでに私たちにとって非常に嬉しいフィードバックだからです。これはMotionGalleryやキックスターターにクリエイティブな人々が集まっているからこそ出来る事です。会員の方々は高い期待を持っているのではないでしょうか。クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げる際、使い古された様なコンセプトの製品は批判もされます。会員の方々は新しいものに高い基準を期待していると感じます。これは、非常に高いレベルの顧客だと考え、私達にとってはロモグラフィーがそういった方々が面白いと思ってもらえるようなプロジェクトを継続的に展開できていることは、とてもいいフィードバックです。ロモグラフィーはインディーズブランドかもしれませんが、既に25年の歴史がありもう新しくはありません。しかし、私たちの歴史の中で、常にこうしたクリエイティブなコミュニティーに大きな関心を持ってきました。
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大高さん、インタビューありがとうございました!サリーとマティアスはMotionGalleryでクラウドファンディングを行えていることを非常に喜んでおります。
MotionGalleryからのサポート、そして何よりも支援してくださっている皆さまからのサポートにより、残り12時間となったこのプロジェクトはロモグラフィージャパン史上最高額をマークしています!皆さまからのお力添えに感謝申し上げます。
最後までどうぞよろしくお願い致します!
ロモグラフィージャパン