私の気になるコンパスカード(その3)
vol. 24 2019-12-19 0
今回は、ローカルメディアコンパス制作メンバーのこれぞというカードを紹介します。
戻ってきた原稿が真っ赤…
北原まどか
「ローカルメディアの編集長として、私は「ライターの主観」を尊重することを大切にしています。ライター自身がどうして、この取材対象者を選んだのか。どんな行いや振る舞いに心惹かれたのか、その理由を自分自身で探し、相手の言葉を紐解くことによって納得していくプロセスに、大きな意味があると思っています。ライターの気持ちや主観が尊重された記事に込められたメッセージは、読者もそれを追体験し、同じように共感して心動かされるはずなのです。
私は編集段階で、ライターが正直で誠実であるかをとても気にします。取材相手におもねった文章は、その態度が文章に滲み出ます。取材相手に記事をすべて見せることは、自分の主観をも相手に委ねてしまうことになります。
広告やPRではない記事の編集権は、メディア側にあります。事実誤認の赤字は致し方ないとしても、ライターの主観にまで手を入れてしまう編集行為には、私は大きな抵抗感があります。
ライターは、事実を積み重ねて記事をつくることに、誠実であるべきです。その努力をしたうえで、自分の主観を堂々と述べられるようであってほしいと思います」
「日本人はすごい」?
齊藤真菜
「今回、エピソードを出すために私もこれまで書いた記事を振り返っていると『あれ、この見出しは…』とか『この写真てどうなんだろう』と、当時自分も周りも気づかなかった、気にしなかった点に引っかかることがいくつかありました。
そのひとつがこの『「日本人はすごい」?』のカードで紹介した体験です。中国人の方が日本人を褒めているコメントをそのまま使い、記事のタイトルにも『日本人』の言葉を入れて掲載したこの記事、今でもネットに残っていて、ああ…修正したい…ともやもやしています。
人種や性別をめぐる表現は、特にこの数年でかなり意識するようになったんだなと気づきました。 今後も価値観の変化や新しく学んだことを取り入れ、都度都度自分の指針を更新していきたいと思っています」
○○はローカルメディアデビューのチャンス!
船本由佳
「ローカルメディアは地域へのパスポート。
地域と繋がってみたいあなたが社会に届くための切符が「取材」です。
自分が好きで調べ歩いたことが、誰かの役に立つことがある。
また、立場の違うもの同士がわかりあうためのコミュニケーションの手段でもあります。
「取材したいので、話を聞かせてください」
という一言で、知らない世界を見ることができる。
普段はよく知るあの人の意外な一面を知ることもできます。
地域のために
社会のために
自分のために
欲しい未来を作るために、情報発信という行動で、自分の足元から耕してみませんか?
情報というタネを蒔いたあなたのところに、面白い人や情報が集まってくるでしょう。
メディアコンパスに書かれている先人たちの経験をヒントに、ぜひあなたの指針(コンパス)をもち、情報の海に漕ぎだしましょう」