制作日誌10
vol. 12 2025-07-20 0
思えば久米島を初めて訪れたのは、8年前でした。その時は、別の短編作品の企画で、ハワイに見立てて撮影できる場所を探していました。
だがしかし、そんな動機で訪れた私を出迎えたのは50年に一度の大雨。これはもう「ハワイやなんて、偉い上等なもんに見立ててくれはるんやなぁ」と、島の神様からぶぶ漬けを食らったようなものであった。
ぶぶ漬けとは、京都弁で「お茶漬け」のことで、「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言われたら「そろそろお帰りください」という意味だと言い伝えられているが、島の神様が京都弁なわけあるかい。
結局、その時は一度の晴れ間も見ることはなく、大雨で引っ掻き回され混濁した海しか見ることができず島を離れたのでした。そして、そもそもの短編作品の企画は、コロナだのなんだので立ち消え、もう久米島を訪れることはないかもな〜。あるかもな〜。とそんなことを考えていたことすらも忘れかけていた、ある春の日に始まったこの企画。
この1年の間に幾度も久米島を訪れていますが、天気はほとんど晴れ。1日だけ小雨が降ったくらいで、ほぼ全て晴れ。たまに曇り。これはきっと、島の神様にも受け入れられているに違いない。
「だから本番も天気は大丈夫です!」と、撮影スケジュールを組んでくれている制作スタッフに、非科学的かつスピった(スピリチュアルな事柄や現象に傾倒している様子)根拠をもとに、断言する監督が私。
「いや、でも10月○日に雨降ったらスケジュール全部崩壊しますよ」
「きっと大丈夫です。島に導かれているから」とわたし。
「なんじゃ導かれてるって。あんまりスピったこと言うとったら、いてまうど」といった内容を言外にこめつつ
「そうっすね」と白い目で私のことを見つめる優秀で信頼できる制作スタッフたち。
おかげさまで50%達成!クラウドファンディング終了まで残り12日です!引き続き応援よろしくお願いします!
導かれている時の兼城湾
導かれていなかった時の兼城湾
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