【応援コメント9】森山純子さんから応援コメントをいただきました!
vol. 20 2024-12-16 0
クラファンもとうとう残り5日。たくさんの応援をいただき、ありがとうございます!
水戸芸術館現代美術センターで教育プログラムコーディネーターをされている森山純子さんから応援コメントをいただきました。
『航海記』が森山さんを呼んでいたんですね。すごいことだ。本当に。
森山さん、素晴らしい応援コメントをありがとうございます…!
『航海記』を見知らぬ誰かに届けていきますね。遠くにいる「わたし」に届けます。
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『航海記』読後
小さな本をめくり、少しのことばと細い線をたどると、自分が漆黒の海と霧深い闇の中で小舟に座っている、そんなイメージが浮かんできます。人と出会い、別れながら自分の小舟を漕ぐ。孤独をかみしめ進む時も、途方に暮れて漂う時も、この小さな本は「そういうものなのだ」と教えてくれるでしょう。それは人生への恩寵のように思えます。先に行ってしまったあの人が居るという月の光をたよりに、皆それぞれに自分の島への旅を続けるのです。
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『航海記』と出会う。そしてこれから出会う人のために。
1年半前に学生時代から40年近くそばに居た夫が急逝しました。忙しい日々を隠れ蓑にして、魂が虚を突かれたように驚いたまま時間ばかりが過ぎていきます。荷物も気持ちも片付けは難しく、しばらく放っておいたのです。ようやく悲しさや淋しさといった感情が思い出された頃に『航海記』のお知らせが届きました。行かなくては、と思いました。
ドア1枚隔てた街の喧騒が嘘のような静謐な読書空間。
閉廊間際の小さなギャラリーの中で、深海のような装丁の豆本を手に取りました。
しばらく脇で漕いでいた好きだった人を、先に逝かせてしまったシーンもあって
「これは、私の物語だ」と感じました。
私はこれからも自分の舟を漕いでいけばいい、自分の人生を慈しむ気持ちを思い出しました。作者の赤井さんや伝え手の新谷さんからの暖かさを受け取った気がしました。
この先も『航海記』が見知らぬ誰かを励まし慰めること。この本が思いをのせて誰かの手から誰かの手にわたっていくこと。そんな少し先の風景を想像しています。
あと少しですね。達成されますよう、願っております。
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山小屋の読書席で豆本『航海記』を手に取り、
静かにページをめくる森山さん。
森山純子(水戸芸術館現代美術センター 教育プログラムコーディネーター)
水戸市生まれ。生粋の「みとっぽ」にして、納豆が苦手。1990年の水戸芸術館開館より、教育プログラムに関わる。赤ちゃんから高齢者まで様々な層に向けた鑑賞ツアーやワークショップ、交流カフェ等のプログラムをボランティアをはじめとする市民とともに作っている。
主な仕事に「視覚に障害がある人との鑑賞ツアーsession!」「高校生ウィーク」「こどもこらぼらぼ」など。最近は地域の作家アトリエを訪ねる「つくりてくらして」のシリーズを開始。