【応援コメント2】青山ゆみこさんから応援コメントをいただきました!
vol. 3 2024-10-11 0
編集者でライターの青山ゆみこさんから応援コメントをいただきました!
青山さんにぜひ『航海記』を読んでいただきたいと思い、思いきってゲラをお送りしました。
青山ゆみこさんの著書『人生最後のご馳走』は、去年の秋に天草の本屋さん「本屋と活版印刷所」で手に取りました。本の中に出てくる方々に、自分も青山さんの後ろにくっついて行って出会ったような気持ちで読みました。
青山さん、とても素敵なコメントをありがとうございます!!
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たとえば昔話だったりするけれど、自分も、友達も、家族も、なんなら行ったこともない、
地図でしか知らない国の人たちも知っている物語がある。
わたしは、いつ、どんなふうに、その物語と出会ったのだろう。
そういえば、あんまり覚えていない。
いつの間にか、その話は、わたしの人生にあった。
そんな物語はしなやかに強い。
悲しいとき、嬉しいとき、満ち足りたとき、足りないとき、誰にも会いたくないとき、誰かとハグしてまわりたいようなとき……人生はさまざまな「わたし」で作られている。
さまざまなわたしは、そのときどきで言葉の受け取り方が変わる。言葉は変わらないのに、届いてきたときに見える風景が異なる。
そんな言葉で綴られた物語は、しなやかに厚い。
『航海記』もそんな物語だと思った。
わたしが読むように、あなたは読まないだろう。
あなたが見た光景と、わたしの目に浮かんだ風景は違うだろう。
あなたが子どもなのか、もう50年も60年も生きているのか。
この物語に出会うのがいつなのか、あなたが誰なのかもわからないけれど、この物語は「本」というかたちから始まった。豆本というかたちを手に取ったひとが、物語を誰かに手渡そうとしている。
その始まりをわたしはもう知っている。
『航海記』が誰にどんなふうに届いていくのか。
楽しみでなりません。
photo by 福森クニヒロ
青山ゆみこ(編集・ライター)
神戸在住。著書にホスピスの「食のケア」を取材した『人生最後のご馳走』(幻冬舎文庫)、個人の困りごとから社会問題を捉えたエッセイ『ほんのちょっと当事者』&「わたしの心と身体」の変化を巡る3年の記録『元気じゃないけど、悪くない』(共にミシマ社)など。気になることを持ち寄り話を聞き合う「ゲンナイ会」主宰。神戸松蔭女子学院大学非常勤講師。ASK認定依存症予防教育アドバイザー。