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をクラウドファンディングで実現!

暴走族の文化と日本の工芸がコラボ。
未だかつてない日本の文化価値を発見できる「工藝族車」

閉塞感漂う今の日本で、忘れ去られたり、少しずつ衰退している工芸と、未だ文化として価値が発見されていない族車の文化を掛け合わせ、日本らしい伝統的な美意識を継承しながらも全く新しい価値を創出するプロジェクトです。

FUNDED

このプロジェクトは、2020年2月28日23:59に終了しました。

コレクター
14
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残り日数
0

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このプロジェクトは、2020年2月28日23:59に終了しました。

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PRESENTER
UMI

人間と、テクノロジーや技術の関係を観察しながら、 人間がまだ気づいていない、または意識できていない、新たな美を作りたいと考えています。 広告会社でデジタル中心のプロデュースに従事した後、2019年より独立。 HAE (Human Awesome Error) 代表。

  • 東京都
  • 起案数 1
  • 応援数 0
  • Twitter (未設定)
  • フォロワー 30 人

工芸とソニックユース ー なぜ工芸は最もアバンギャルドな分野なのか

vol. 2 2020-02-21 0

たまたまだったけど、僕はその大学に初めて「工芸科」というのができた最初の代に入学した。もちろんいきなり設立されたわけでなく、前身の学群はあったのだけど、工芸と名乗って改組する時、当時の学科長だった中村錦平さんという教授の発したステートメントが超絶格好良かったので、ほとんどそれで入学を決めた。

錦平さんは、廬山人の器の美学を通過しながら、東京焼を標榜し、表現が稚拙で情けないけど、極彩色で無茶苦茶な焼き物で空間づくりをする作家だった。(個人の感想です)

錦平さんの作品はこれです。

ロックに例えると、ロバートジョンソンのブルースに始まり、ローリングストーンズを経てザ・フー、ジミヘンが広げた可能性にどっぷり浸りながらも、蓄積された文化をあっさりちゃぶ台返しするようなソニックユースとかポップグループの凄みだった。(僕なんかが評するのはおこがまし過ぎるが)

伝わりますかね…こんな感じで工芸を勉強するぞーという空気感。

錦平さんがいる前で、カルチャーセンターのノリでろくろに向かい、出来たー!、なんて無邪気な器を作ろうもんなら、「あなた、わざわざ大学まで来て勇気ありますね」と静かに冷徹に、器物に向かう態度や哲学を試されるような恐ろしさがあった。
学生当時、アートの表現がメディアアート中心に拡張したり、アートのようなデザインが大量に出てきた時代に、(当時どっちも馬鹿にしてて今メチャクチャ反省してます)どれにも似ていそうで、どれでもない「工芸」という立ち位置がいかにアバンギャルドなのか、という気構えが形成されていきました。その過程でサーストン・ムーアみたいな錦平さんからは強く影響を受けたし(陶を専攻しなかったので直接師事することはなかったけど)、態度としては今も変わらない。
色々な工芸作品を見ながらよくやっていた思考実験は、例えば首の曲がった手作りの壺があったとして、機能を満たしていない失敗作と見るか、「壺」という額縁、キャンバスで表現されたものと見るか。既成概念を超えてちょっとだけ想像力を膨らませられるかどうか。
反転させれば、必然性と機能を熟慮してできた工業デザインにどんな価値があるのか問い直す視点にもなるし、無くても社会は回るだろう手仕事の技術は人間の感情にどんな影響を与えるかも想像することができる。
そんなことをやってると現代の工芸って世の中全体を一回脱構築させられることに気づいたのでした。
近年、工芸、クラフト、というキーワードをよく耳にするようになったから、この辺りの言葉を使って多くの人が何かを考えたいんだろうな、というのは感じておりまして、もしやニーズあるやもと思って、僕なりに最近思い浮かべている工芸を取り巻く概念を図にまとめてみたのがこちら。

(苦手なりにやってるので色んな人の意見を加えて更新していけるといいな)

美術というのがカッコ付きになっているのは、美術という概念が日本特有で、海外だと芸術と美術を切り分ける言い方が無い気がするので、無くして直接「芸術」から線を引っ張ってきてもいいのかなという意味のカッコです。
これを使って何をしたかったかというと、工芸が接している境界線はどこなのかの整理です。
今の時代に一番わかりやすいのは先端的技術革新と手作業の加工技術的な境界なんだけど、それが眩しすぎるんで、ちょっと意識を強く持たないと気付きにくいのが文化史的な境界線かなあ、ということを考えていました。(右半分の部分です)
僕のバックグラウンドは金属工芸なんだけど、テキスタイルや、陶みたいな、分かりやすくライフスタイルに接点のあるものじゃなく、日常的に接する大半の金属は工業製品なので、工芸的な金属は中々登場しません。身体性、叙情性、日常性、この辺の要素を含む金属のフィールドを挙げるなら、ジュエリーとかカトラリーくらいだろうか。いずれにせよ、死に絶えても何らおかしくない金属工芸が背負ったり引き継ぐものがあるとすれば、文化史ぐらいじゃないかなあというのが頭の整理で感じていることです。
どんな分野でもそうですが、瞬間的に超スゴいものでも、文化史を引き継ぐか、或いは文化史の最初の一歩にならないと、一発で終わっちゃうんですよね。残こらないからダメってわけじゃないけど、批判であれ共感であれ、議論としてでも残った方が人間社会にとっては有益だろうと思うのです。

今進めている工芸と暴走族のオートバイのプロジェクトについて話を移すと、「境界線」と「文化史」というのが大切な骨格になっています。僕が作りたいのは「文化的特異点」です。あと、突然ですけど、今の日本って経済的に色々キツくないですかね。消費税10%で内需がアレで、じゃあ外貨を稼がんとってことでやってきた製造業と円安政策もアレで、もはや文化しか無くね?って思う時に即座に浮かぶ、いわゆる「日本の伝統文化」みたいなものにすがりつきたくなる気持ちを、グッと堪え、「でもそれって何?」っていう想像力を膨らませる機会があってもいいんじゃいかな?(ちょうどオリンピックイヤーだし)という作品でもあります。
ちなみに僕あれ苦手でした、去年のラグビーワールドカップのキックオフの時の「ヨォ〜」という能からサンプリングしたようなSE。日本開催をレペゼンするには余りに安直すぎるし、能を見たことある人なら分かると思うけど、死者の世界を表現していることもあって、能の動きはすごく静的なんですよね。なので躍動感のあるラグビーと合わずにギャグとかネタに聞こえてしまい、試合を茶化しているようにすら見える。南アフリカとかウェールズの重量級、筋肉ムキムキのフォワードがボールをキャッチングする時にあの声はシュール過ぎたし、誰か気づかなかったもんかなと。伝統が日本人自身の先入観で語られるのを見かけまくるし、もっと多くの人が深く興味を持って、更にそれを脱構築する視点があってもいいと思うんですよね。そんな気持ちで工芸作品を作っています。

ちなみに族車をテーマにした工芸作品は過去にもありました。ただ僕らの作品の目的が過去のものと異なるのは、文化的な交わりをしっかりと作るという点です(過去の作品を批判するつもりはないです、目的が違うだけ)。僕らは工芸と族車の当事者がしっかりと関わりあい、ワンチームとしてモノを作っていくことを最も重要視しています。人と人の交わり自体が特異点だからです。(工芸を含む広義の)アート側の視点だけで族車を作り、旧車會の人たちが乗りたいとも思わないオートバイになることは絶対に避けたかった。
そんなわけで、暴走族文化のナレッジは僕の漫画から得た知識だけではどうにもならず、実際に当事者を訪ね、僕自身が理解を深めるところからスタートしています。彼らから勉強させてもらったことは膨大にあるので、改めて伝えていく予定です。

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