明日までとなりました!
vol. 2 2023-01-25 0
クラウドファンディング、いよいよ明日までとなりました。
ご支援くださった皆さま、ありがとうございます。
昨日に引き続き、作業の状況をお伝えします。現在、伊那にある製本所・美篶堂では、印刷された本文の検品作業を行なっています。
検品とは、印刷されたものの中から、文字の滲み、つぶれがあるもの、汚れがあるものなどを取り除く作業です。
上の写真のように、潰れてしまっている部分のあるものを取り除いていきます。
一枚ずつチェックし、問題のないものは袋綴じにするため二つ折りにしていきます。
今回、昔ながらの活字組版で本を作る、と決めてこのプロジェクトを始めました。
ですが、現在、完全に昔ながらの方法で本を作ることはできません。
今回印刷をお願いしたつるぎ堂は、名刺やハガキを刷っていた町の印刷所です。かつて本を印刷していたのはもっと大きな印刷所がほとんどで、そうした印刷所はすでに活版部門を閉じ、活字も機械も処分してしまっています。本を作るにはそれに適した設備が必要で、つるぎ堂にそのすべてが揃っているわけではありませんでした。
その状況で「本」を作るために、さまざまな工夫をしました。
本来は活字を拾って組むのは印刷所の仕事ですが、今回は活字屋の大栄活字社に文選をお願いしました。組み方も、必要な込めものがない場合は他で代用し、校正は、その日印刷する分について、わたしも毎日つるぎ堂の多田さんといっしょにチェックを行いました。
つるぎ堂は多田さんひとりの運営ですので、紙の断裁や検品はこうして製本所の美篶堂にお願いし、片面刷りの袋綴じにすることで印刷の負担を軽減しています。
昔ながらの活字組版で本を作るために、昔ながらの方法とは違うことをしている部分が多々あります。絶対に昔通りの方法でなければならない、と縛られるより、それに代わる方法を探して、本を作ることが大事だと考えたからです。
活版印刷を残したい、という声をよく聞きます。若い方からもそうした声を聞くことがあります。
ですが、活版印刷を残すためには、活字や機械を保存するだけではダメなのです。活字も機械も扱うには経験が必要で、使える人がいなくなれば、単なる「もの」になってしまいます。
残すためには、使うことが必要なのです。
さまざまな方の協力と工夫によって、今回の140字小説本は、なんとか本の形になろうとしています。そのことに深く感謝するとともに、多くの方に出来上がった本を見ていただきたい、と思います。
和紙が表紙の特装版の申し込みが多かったため、途中で当初の予定を変え、100部予定だった特装版を200部に増やすことにしました。おかげさまで、特装版への申し込みはすでに100部を超えています。この変更と、さらにリターンのサンクスカードにも140字小説を印刷するため、ストレッチゴールを設定し、そちらも達成することができました。
リターンのサンクスカードは、本には含まれていない140字小説を印刷することになっています。
こちらがその活字です。
サンクスカードはひとくち支援の方にもお送りします。
実際の制作費にはまだ一歩届かない状況です。
あと1日、引き続きのご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします!