沢山のはじまりのストーリー
vol. 6 2023-08-09 0
プロジェクトの紹介文にも記しましたが、2001年に松田妙子(現:NPO法人せたがや子育てネット代表理事)、記者で実妹の片山圭子、助産師大坪三保子が始めたamigoは、知る人ぞ知る「大きな木保育園」のひと部屋から始まりました。
ママたちの部室「ふらっとサロン」でお喋りや情報交換が叶ったことはもちろんですが、のびのびと過ごす在園児の様子や保育士の関わりの様子を通じて、母親たちが子どもの育ちについて見通しを立てたり、子どもへの関わりのコツを垣間見る場でもありました。
自然との関わりや遊びを通じて本当の「子ども時代」を大切にする大きな木保育園。在園していない子どもたちにも、amigoがその保育のエッセンスやまなざしの大切さを伝えることができるといいなという想いもありました。
産後に必要なのはリハビリ!を謳った認定NPO法人マドレボニータのファウンダーでもあった吉岡マコさん(NPO法人シングルマザーズシスターフッド代表理事)と共に産後のからだのケアの大切さを発信してきました。amigoの産後エクササイズクラスも、もちろんマコさんが先生で!
現在産後ヨガクラスを担当する上美知代さんはマコさんの第一期のお弟子さんでもあるのです。全国各地にインストラクターが誕生するよりもずうっと前のストーリー。
年子を出産した市川望美さんが、地域に出会ったのもamigo。
お友達に誘われて通ったベビーマッサージクラスがきっかけだったそう。IT企業の育休中にamigoのお手伝いしたことから(プロボノってやつですね)、次々にオモシロイ企画が生まれ〜中略〜非営利型株式会社Polarisの誕生へと繋がっているのです。Polaris現CCOの大槻昌美ちゃんのはじめの一歩はamigoマザリングベルのシッターさんでした。
まちの住民が支援者になる。
現代表(理事長)の石山も、amigoの産後ケアクラスに通ったことがきっかけで今に至っていますし、スタッフの7割以上が元利用者という循環スタイルが定着してきています。とはいえ、保育や幼児教育に従事してきた人ばかりでなく、違う畑からやってきた人ばかりです。出産前は空を飛んでいた人もいれば、カメラマン、栄養士、パティシエ、ヘアメイク、縫い物が上手な人、ピカイチの営業さん、玩具デザイン、映画に携わっていた人、あんこが炊ける人、お茶を点てる人、お札が数えられる人、図面を引ける人などなど…。ひょんなことからamigoにつながって、バリキャリ時代には葬っていた“おたがい様”や“寛容性”の片鱗が心の琴線に触れたその時からsisterhoodを育みあい、気がつけば支援者と呼ばれる立場になっています。どちらかというと、頭を悩ませながら策を練る裏方仕事を得意とする顔ぶれです。
地域の人が支援者になっているのはamigoに限ったことではなく、世田谷区の地域子育て支援の特徴の一つです。子育ての大変さは喉元過ぎれば熱さを忘れがちとも言われますが、地域子育て支援事業をシゴトとしてやれる道を模索してきました。時代の流れも手伝って、現在は第二種社会福祉事業となりましたが、その分求められるものが大きくなってきたのも事実。当事者性を大切にした支援は昔も今も変わりませんが、ソーシャルワーク的な視点や子どもの成長発達についても無邪気な素人ではいられません。
だから支援者支援
8月のはじめには、amigoだけでなく、同じ地域の支援者と一緒に研修会を開きました。大きな木保育園でも取り入れている「リズム運動」を通じて、からだの使い方や成長発達を学ぶ時間を共にしました。
夏休みだからこそ子どもたちも参加して、「いつも留守番ありがとう」の気持ちも込めた交流会をもちました。
講師の橋田美幸さんをamigoに紹介してくれたのも元利用者さん。
pubilcoは、支援者の掘り起こし&支援の場としての顔も持ちます。
相手の状況を慮ること、お話しを聞いてみること、いっぽ踏み込んだ情報提供から始まって、子育てがひと段落した人が次の誰かを支える側に回ったり、リタイアしたけどまだまだ元気な方が地域で活躍する景色を作っていきたいと考えています。
誰かのためにひと肌脱いで、ふた肌脱いでいる間にいつの間にか自分自身の変化に気づくことがあるんです。
そしてすでに支援に携わる人が所属や立場から離れてひとりの人として労われる時間も必要です。対人援助に携わるからこそ労いと振り返りを忘れずに、自信に繋がる知識やスキルを学び、強みを活かす気付きのための研修の場です。