地球と人間の共生
vol. 11 2017-10-09 0
びっくりしたことがありました。
こうもりクラブ:三上は少々鉱物に興味があります。
「おしごとは呼吸すること」企画にたずさわるようになってアスベストについて調べていた時のことです。
はたと、じいちゃんから受け継いだ鉱物標本の存在を思い出しました。
古い標本です。もしかして、と急に心がざわつきました。
発行年の記載がありませんが、旧字体なので戦前のものですね。
此ノ標本ハ國定教科書ニ適用シ尋常高等小學校學習用トシテ極メテXXナル結果ヲ擧ゲツ、、、などど書いてあります。
XXはもげてて読めません。
古くはありますが80標本を有するとても美しい品です。
こ、これは、まさか!
#53 石綿 Asbestus 武蔵 金崎 やっぱりあった!
採石地が”武蔵”とか”甲斐”などと記載されています。
ということは廃藩置県より以前の品でしょうか。廃藩置県は明治4年、1871年になります。
1846年の日清戦争で清の軍艦に使われていたアスベストを日本も取り入れ始めたそうです。
当時は国の発展を約束する夢の物質だったであろうアスベスト。その危険性など微塵も感じていなかったのでしょう。
地球が生んだ美しい鉱物が害を成す。
私にはそのことが不思議でなりませんでした。
しかし水銀・カドミウム・鉛、これらも公害として人間に牙をむいてきました。
「オーガニック」「ロハス」などの言葉がもてはやされる昨今ですが、地球と人間の共生は無理なのでしょうか?
インディアンの詩からひとつ考え方のヒントを頂いたように感じました。
“きみたち白人は、おれに石を掘り出せという。きみたちはおれにナイフをとって母なる大地の皮膚を切りさき骨をえぐり出せというのか。そんなことをすればおれが死んだとき、母はふたたび生まれるべくおれをその胎内にいれてはくれないだろう。”
(三上周子)