当公演ではアスベスト関連疾患の患者さま50名をご招待いたします
vol. 4 2017-10-01 0
『おしごとは呼吸すること』公演では【中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 東京支部】東京・芝診療所所長 藤井正實先生を通じて、アスベスト関連疾患の患者さま50名をご招待いたします。
先日、「遊動する身体」編集兼発行人であり、アスベスト問題にも詳しい西田隆重さんのはからいで、東京・亀戸の【中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 東京支部】の患者会に出席させていただく機会をいただきました。
こうもりクラブからは野口と三上が出席し、なぜクラウドファンディングで『おしごとは呼吸すること』を行うのか、などをお話しさせていただきました。
「アスベストというものが原因で亡くなる方がいるということを世間一般に周知したい。」
「私の父も、一方向から見ればアスベストによる《被害者》だと言える。だが、そうではない。個人個人のかけがえのない人生の中で、アスベストというものと出会っただけだ、という見方もできる。」
そういう思いもあり、私は当プロジェクトの中で「被害」という言葉の使用を意識的に避けました。
そのせいか、「どういう立場でこの企画を立ち上げたのかが分かりにくかった」という意見もいただきました。
確かに《被害者》である一面は否めないのですが、私の実感としては父を「被害者」だとはどうしても呼べないのです。そう呼ぶことの違和感がどうしてもあります。主体はアスベストではなく個人の総体の方にあると思うからです。
といったようなことをお話しすると、現在闘病中である出席者の方たちも、「自分も被害者だと思ったことはない。」とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。この言葉を聞き、なぜか勇気付けられた自分がいました。
また、東京都庁庁舎にもアスベストが使用されており、アスベスト除去の対策を検討中であるということも知りました。
都庁庁舎は1988年竣工。日本でアスベストが使用禁止となったのは2006年ですから当然使われていても不思議はないのですが、軽くショックでした。
さて当プロジェクトのクラウドファンディングも残すところ10日余りとなりました。『おしごとは呼吸すること』公演の稽古も佳境に入っております。稽古場の様子なども、アップデート記事にしていけたら、と思います。
引き続き応援のほど、どうぞ宜しくお願い致します。
(野口泉)