登壇者紹介:板橋 俊幸 Toshiyuki Itabashi
vol. 15 2015-06-22 0
3人目は桐生見え検動画でもお馴染みの弁護士さん
プロフィール
板橋 俊幸(いたばし としゆき):弁護士(弁護士法人龍馬)
群馬弁護士会高齢者・障害者支援センター副委員長
日本弁護士連合会高齢者・障害者権利支援センター委員
群馬県高齢者・障害者虐待専門職チーム所属
高崎市市民後見人養成講座講師
成年後見人,介護事故,高齢者虐待,消費者被害など,認知症高齢者に関わる案件を多数取り扱っている。
全国フォーラムへ向けたメッセージ
弁護士登録当初は,福祉関係者と知り合う機会はなかなかありませんでした。弁護士と福祉分野には非常に距離がありました。
しかし,ご縁は広がるもので,現在,自治体,地域包括支援センター,社会福祉協議会,介護・医療関係者等と,たくさんの繋がりを持ち,認知症高齢者との関わりを深めております。
特に,見え検の取り組みは,多職種で多角的視点から困難事例の解決糸口を見つけ出すことに加えて,様々な連携を図れる場の提供をしております。弁護士としては,現場で奮闘している方々の意見を聞くことにより大変勉強になり,実際に連携も取らせていただいております。
現代社会は,さまざまな法律や契約から成り立っております。認知症であろうが無かろうが,社会の仕組み自体は同じです。
認知症の高齢者でも,「結婚したい」「離婚したい」という気持ちが生じる方もいます。「交通事故に遭う・起こす」「相続問題に巻き込まれる」「借金が払えない」「詐欺に遭う」等ということも,日常的に起き得ます。
しかし,認知症の方が声をあげることは困難です。
また,認知症の方が介護サービスを利用する際,契約関係はどうなっているでしょうか?誰が契約者でしょうか?誰が署名捺印をしているでしょうか?家族が代行できるのでしょうか?
認知症の方の為に,よかれと思って行ったことが,実は違法であったり無効であったり,トラブルのもとになることもあります。
認知症の方が当該地域で快適に生活をするためには,ご本人を取り巻く環境がとても重要です。ご家族・介護・医療・行政・地域住民等々,良くも悪くも環境次第で,ご本人の命や財産に重大な影響がでます。
今回のフォーラムをきっかけに,多くの方々が,認知症に対する理解を深め,問題解決方法を探り,将来自分たちが当該地域で快適に生活できる環境作りが進められることを願っております。
では,皆さん当日よろしくお願いします。