【友の言葉】自然は誰のものでもない…?
vol. 25 2021-09-14 0
森林林業や地域づくりに関わる仲間たちが語った言葉を集めていくのが、インディーズ林業文学レーベル「里山田文集」の役割の大きなひとつだと思っています。
ある友が私に語った言葉があります。私はそれを紡いで詩のようなメッセージを編んでみました。
作中には掲載していませんが、山に生きる友の思いに報いるため、こちらで掲載させていただきます。
友は川で海でゴミを拾い、草木に虫に水に波に親しんで、土地の自然と共に生きています。
自然は誰のものでもない…
そうのたまう者がいる。
自然は誰のものでもない…
幾度となく聴いた、その詞書。
では、問おう。
君が生きていないこの土地この山河で、森が姿を消し、
そこに色彩のない板が並び羽根が回り、
その恩恵で遠く離れた君が棲む都市の灯が点ることに、
君は、なにも感じないのか。
姿を消した森は、君のものだったのか。
自然は誰のものでもない…とのたまう者よ。
であれば少なくとも、君のものでもない筈だ。
自然は誰のものでもない…とのたまう者よ。
わからないなら教えてやろう。
自然はそこに暮らし、共に生きる人たちのものだ。
共に生きない君のものではない。
自然は誰のものでもない…とのたまう者よ。
これからの100年先の、その先々まで、私たち土地に暮らし共に生きる者たちは、
君たちのタダ乗りを許さない。
自然は誰のものでもない…とのたまう者よ。
いますぐ、この森から、川から、海から出ていきなさい。
そして学んでから、この森に、川に、海に帰ってきなさい。
共に生きなさい。そして知りなさい。
森で、川で、この海で。
私がそうであったように…