シェアキッチン『 c o n a t o|粉と 』インタビュー vol.2
vol. 3 2021-10-13 0
ライター 長尾芽生
菓子製造専門シェアキッチン「菓子河岸」の姉妹店として生まれたシェアキッチン「conato|粉と」のクラウドファウンディング企画の一環として、運営メンバーと菓子河岸利用者の皆さんでインスタライブを行いました。本記事はそのライブの様子をまとめたものになります。
今回は、低糖質お菓子を提供しているHymy(ヒュミュ)の大場さんと、conatoのマネージャーである株式会社anova design 代表 宮地さんにお話を伺いました。
大場さんのお菓子は低糖質スイーツでありながら、甘味料にこだわりしっかり甘くて美味しい味と、体に優しい原材料でつくられているのが特徴。ご自身の体調の変化をきっかけにお菓子づくりを始めたそうです。この日はマドレーヌとホワイトマルベリーを使ったケーキを見せてくれました!
お話を聞いて思ったのは、大場さんご自身が丁寧に努力を積み重ねてきた人だということ。協力してくれたご家族のお話し、この先の野望などを伺います。
Hymy:@lowcarb_sweets_
お菓子づくりのきっかけはⅠ型糖尿病
大場: 4年前にⅠ型糖尿病という病気を患ったのがきっかけでお菓子づくりをはじめました。Ⅰ型糖尿病は、厳しい食事制限は特にないんですけど、毎日血糖値を管理して生活する必要があります。
――通常の食事は普通に食べてよくて、たくさんお菓子を食べすぎるのはNGみたいな感じでしょうか?
大場:そうですね、血糖値を急上昇させないようにお菓子とかを選ぶようにしています。
――それまではカフェの店員など、飲食業に長く携わっていたとお伺いしました。思い切って自分で作る!と決断されたのは、どういう思いがあったんですか?
大場:大学卒業してから飲食業で働いていたんですけど、病気をきっかけに休養も兼ねて事務職をしていました。ちょうどその事務職の営業所が移転することになり、ちょうどそのタイミングでコロナも流行りだして…。
やっぱり自分の好きな飲食の仕事をもう1回したいな、自分の体にも優しい低糖質のお菓子を作りたいなと思ったんですよね。最初は一からお店を作ることも考えたんですけど、費用の面を考えても難しいなぁと。シェアキッチンというのがあるのを知って、ネットで探したら、菓子河岸さんを見つけました。
いつかカフェ営業がしたいから店舗付きがいいなって
――やっぱり探すのは最初難しかったですか?
大場:意外に少なくて。カフェ営業もしたいと思っていたので、店舗併設のお店がいいなって探したんですけどそれがなくて。製造できる場所だけ、というのがほとんどでした。
この菓子河岸さんは、製造所と店頭販売できる店舗のスペースが両方あったので、お店の雰囲気もすごく素敵で、こちらで始めてみたいなと思いました。
――前回のライブで宮地さんが、やっぱり店舗併設で作りたいと言っていました。まさにこのニーズに応えるためですよね。
宮地:嬉しいですね。そんなに色々探した中で見つけてもらえたのは。我々もシェアキッチンを作るうえで、店舗併設とか、なるべく多くの人に使ってもらえるよう試行錯誤しています。さらにこういうお声が増えてくといいなあと思っております。
低糖質お菓子へのこだわり
――レシピのこだわりなどがあれば教えてください。
大場:糖質の高い小麦粉や白砂糖を使わずに、粉はアーモンドパウダーや大豆粉を使用して糖質をオフにしています。甘味は合成甘味料などを使用せずに天然由来の甘味料を使用して作っています。
――材料を手に入れるところから初心者にはハードルが高いように感じてしまいます。
大場:最近だと、ラカントSという甘味料が結構メジャーになってきて、スーパーでも手に入るようになりました。自宅でもちょっと糖質オフできたりすると思います。
こういう梱包とかは全て自分で選んだんですけど、色々分からないことだらけで。ネットとかでたくさん検索して探しました。袋も何種類もあるので実際に試して決めました。
手伝ってくれた家族の存在
――菓子河岸の他の利用者の方と情報交換とかもできてますか?
大場:今はマルシェとかがまだできないので、あんまり皆さんとゆっくりお話ししたことがないんです。店頭販売をやっている「かかしのかまど」さんや「喫茶アリシヒ」さんとは実際に店頭でお話しできました。
先日「麦吉Labo」さんが店頭販売の時に来てくださって、夫は色々話をしていたみたいです。私はその時キッチンで製造していたので、あんまりお話できず…またゆっくりお話できたらなと思っています。
――旦那さんも一緒に店頭に立ってくださるなんて素敵ですね!
大場:実は元々同じコーヒー屋で働いていて、将来は一緒にカフェを開業するという目標があります。夫は今他の仕事もしながらバリスタとして一緒に店頭に立っています。
――素敵な目標、すごく楽しみです!そしてECサイトの立ち上げはお姉さんが協力してくれたとか?
大場:私はパソコンに弱く、姉がWebデザイナーをしていたので手伝ってもらいました。笑
宮地:大場さんは一から色々調べて実現してきたので、次来たメンバーさんとかにもノウハウを伝えていってくれる気がして心強いですよね。みんなで情報共有しながらやっても、つまずくことは多いと思うので、ぜひ先輩たちに聞きながら挑戦してもらえるといいかなと思っています。
届いて欲しい人に届くべきお菓子
大場:“血糖値の上昇をおだやかに”というのを大切にしてお菓子を作っているんですけど、血糖値を気にする方も、そうでない方も是非一度召し上がってもらえたら嬉しいです。
これからマルシェとかも開催できるようになったら、ぜひ挑戦してみたいと思っています!
宮地:届いて欲しい人に届くべきお菓子だなと思います。このお菓子を本当は求めているのに、なかなか出会えない人もいっぱいいる。そういう人になるべく早く届けられるといいなと。
あとは糖尿病とか関係なしに、体調を気遣いながらしっかり美味しいものが食べられるというのはなかなか貴重な存在だと思うので、是非手にとって食べていただきですね。
優しいお菓子をバリスタの淹れるコーヒーと一緒に
大場さんとのインスタライブは、遊びに来てくれた麦吉Laboさん、お菓子をいつも購入してくれるお客様、そしてサイト制作をしてくださったお姉さまも参加し、終始あたたかい空気で進みました。
やりたいことをやり続けるための丁寧な努力。目標に向かって歩んでいる姿勢。私自身、パワーをもらえたように思います。
今後はマルシェなども含め店頭販売の機会も増えていく予定です!大場さんが作るこだわりの低糖質お菓子、ぜひ一度試してみてはいかがですか?
***Hymy大場さんおすすめの人形町お散歩スポット***
ドイツパンの店タンネ
全粒粉のパンがおすすめとのこと!
lPAPIER TIGRE
パリ発の雑貨屋さん。大場さんはこちらのお店のキャニスターにコーヒーを入れて愛用中。