稽古スタートのお知らせ
vol. 4 2016-02-04 0
発表会までもうすぐ!
ついに稽古初日を迎えました!ここ数日は暖かな日差しがありましたが、今日は底冷えしていて、「寒いなぁ」と声をかけあいながらの稽古に励みました。
狂言 型の稽古 「酒盛り」 今年も釜ヶ崎に「ソレ、ソレ、ソレソレソレソレ~!」の声が響きます
今回出演してくださる方は、これまでのメンバーが半分、新しいメンバーが半分といった具合です。また、男性のみならず、女性の方からもたくさんご応募を頂き、これも半々という形になりました。
今日の稽古は、自己紹介と身体を動かすゲームをした後、早速狂言の型をみっちりと学びました。
扇をのこぎりに見立て、木を切る型の稽古風景
参加者の皆さんは真剣そのもの。経験者は久しぶりの稽古で、「またサラから始まりやな」と意気込んでいたり、初めての方は「正直、舞台に立ったことがないので、出演できるかわかならい」といった声もありました。
狂言の創作 台本のネタを考え中
稽古の後、狂言の創作に挑戦しました。講師の茂山童司さんより、「えーっと、どんな狂言を作ってみたいか考えてきましか?」という問いかけに、「いや、考えてきてはおらんけどな・・・」と言いつつも、続々とアイデアが飛び出てきました。
台本のネタ メモ書き
まだ台本になるかは未定ですが、いくつかのネタをご紹介します。
①町工場の社長がおつぼね社員のリストラを企むが、うまくまるめ込まれてしまう
②ある独居老人がネパールの仮面に恋をしてしまい、仮面と結婚してしまう
③有名なパン屋のスタッフが、パンにホルモンを入れた商品を開発したいが反対される
④人間をやめるため、星にかえる
これから実際に台本にして、発表会で皆さんにお届けするのが楽しみです!
移住する能楽堂
大阪九皐会館 今年もお世話になります!
今年も発表会場には、大阪九皐会館をお貸ししてもらいます。大阪市天王寺区の桃谷駅から徒歩5分で足を運べます。先日、僕は大阪九皐会館を切り盛りされている吉川さまにお話を伺いました。
普段は稽古場にもなっています
聞いてびっくり!大阪九皐会館はこれまで2回ほど移転し、ここ桃谷に落ち着いたそうです。思わず、「能楽堂ってどうやって移動するんですか?」と聞き返してしまいました。
ちょっとした小道具がかわいい お足の悪い方にもやさしい
大阪九皐会館は1950年代に大阪市中央区の旅館の庭に建てられていたそうです。もし生きていれば115歳の先代がホテルの経営者と話しあい、当時には例のない能楽堂の建設に着手しました。
でも、突如廃業することとなり、能楽堂は行き場を失うことになります。
先代のお写真と能の謡本 本棚が50年もののアンティーク
とはいえ、まだまだ現役の能楽堂を見捨てるのはもったいないということで、同じ区内に引っ越しすることになりました。
しかし、1960年代に移転先の土地が商業的な開発を目的に、立ち退きを命じたため、再び新天地を探すことになります。
70年代前後、新天地となったのは、現在の桃谷でした。20年のうちに、2回も引っ越しした能楽堂はここだけかもしれません。でも、吉川さんによると、能楽堂を移転した例は他にもあるそうです。
能舞台の松竹梅 いつ見ても めでたい
70年代前後、桃谷に引っ越した九皐会館に鏡絵(写真の松竹梅の絵)が描かれることになりました。わざわざ東京から日本画家の方が10日間も住み込みで絵を描かれたそうです。
しかも、当時では珍しい炭を中心に描かれた墨絵の鏡絵になりました。どうぞご来場の際には近くによってご覧くださいね。
去年の創作狂言の台本 ぼろぼろです
最後に、大阪九皐会館の「九皐」という意味を訪ねた所、どうやらある古代中国の詩の引用で、
鶴九皐に鳴く 声天に聞こゆ
という一文からとったそうです。この一文は、
鶴が山深い沢で鳴いても、その声は天にも聞こえるように、身に誠あれば、目には見えなくても、おのずから形にあらわれる
という意味あいがあるそうです。
明日もまた稽古は続きます。それでは引き続き応援よろしくお願いします!