始まりのとビラ
vol. 6 2018-06-13 0
今回のメイン作品のひとつ
「始まりのトビラ」
3月の新月の日から描き始めたこの作品。
それから何回かの新月を越えて
あともう少しでまた新月を迎えようとしてる
6月の今日、「始まりのトビラ」が完成しました。
始まりのトビラ(F100号)
今回の個展制作は
「始まりのトビラ」からはじまり「終わりのトビラ」で終わるように
作品を作っていきます。
なのでようやくここから旅が始められます^^
「始まりのトビラ」を制作している時に絵から教わった事
それは、過去と今と未来は同じ場所にあるという事でした。
(とても不思議だけど。)
制作していく中で「始まり」について深く深く思いを馳せながら手を動かしてゆくのですが
私の中で始まりのイメージは
”安定した世界から勇気を出して未知の世界へ足を踏み入れる”というものでした。
今の世界(現状)は満足もしてないけれど、不満でもなくて、程よい安定の中にある、まあまあ居心地の良い世界。
でもその先にある真っ暗な世界に希望と夢を感じている。
真っ暗でなにも見えない世界に足を踏み入れるということは、不安と恐怖が襲ってくるわけで
”それでも前に進みたい”という強い覚悟を持たないとその先には進めない。
それが、私にとっての「始まり」のイメージでした。
今までに何度も大小いろいろな始まりを経験してきましたが、いつも ”それでもやりたい”と自分を奮い立たせてきた気がします。
この絵にでてくる馬に乗っている少女も”それでも前に進みたい”と不安と恐怖の中、希望を握りしめ始まりを選んだ一人。
その先に立ちはだかる「始まりの番人」
「始まりの番人」とは以前私が描いた作品のモチーフ。「お前には、 前に進む覚悟はあるのか」と厳しい表情で試してくる神聖な生き物。
でも今回描いた番人は前回とは違った表情をしていました。
なんとも誇らしげで、包み込むような優しさをもった番人。
不思議に思っていましたが、その表情の理由を理解した時、涙がボロボロ溢れてきました。
神聖な生き物と思っていた番人、それは未来の自分だったのです。
始まりの入り口の前で「覚悟はあるのか」と試している未来の自分。
「それでも前に進みたい 」と勇気をだして前へ進んだ過去の自分を見届けて
”よく決意した”となんとも誇らしい眼差しで見守っている未来の自分。
それを見ている(絵を描いている) 今の自分。
過去と今と未来が交差する不思議な世界に足を踏み込んでしまった感覚になりました。
でも、本当は不思議でもなんでもないのかもしれないとも思いました。
そしてこんな風にも思いました。
真っ暗な世界には壮大な愛がある。
自分で世界を創れるように
好きな色をなんでも選べるように
先日、ハリーポッターの分霊箱でたとえ話をしたけれど
このこともなんだか似ているなと感じました。アズカバンの囚人でハリーを救った鹿の守護霊、ハリーは父さんが助けてくれたと思っていたけれど
実は鹿の守護霊を出してハーリを救ったのは未来のハリー自身。
ね、なんだか似ているでしょ?だからなにってわけでもないけれど、ふと思い出したのです。
さぁさぁ、旅が始まる。私が私を掬い(救い)出す旅が。