取材規制厳しい欧州
vol. 8 2015-12-18 0
欧州取材中だった久保田カメラマンは無事に帰国しました。現地はとりわけ取材規制が多く、撮影も困難を極めたようです。各国とも国内世論にかなり気を遣っているようで、それが報道陣への取材規制に繋がっている可能性もあります。
さてオーストリア・ウイーン駅構内で撮影したこちらの写真。手作り感溢れた工作物ですが、難民専用の携帯充電ブースです。
難民たちの世帯には、ほぼ100%携帯電話やスマホがあります。久保田カメラマンが出会った難民の中で携帯を持っていない人は「いなかった」。
「デジタル難民」と言ってもいいほど、今年の欧州難民流入には通信ツールが活用されています。先に脱出した難民がFacebookやメッセンジャーなどを活用し、ノウハウや情報を伝えているのは皆さんもご存知かもしれません。
ですから難民たちにとって、携帯の充電は食料と同じくらい大切なもの。ウイーン駅構内には食料の配給所と睡眠スペース、そしてこちらの様な充電スポットが設置されていました。
現在はオーストリアも流入を規制しており、ウイーン駅のこうした施設は無くなっているという情報もあります。
15年前のNY9・11。私たちがアフガン難民を取材したころ、携帯電話などの通信ツールを持っている人は殆どいませんでした。
2枚目の写真が2002年に撮影したパキスタンに流入したアフガン難民たち。
「見えざる難民」と呼ばれ国連の支援を受けられていない(国連が把握できない)人々です。殆ど着の身着のままで故郷を脱出し、手荷物らしきものは、身に着けてる衣服だけと言っても過言ではありませんでした。
この頃は難民たちがどこに行けば支援が受けられるか、と言った情報は共有されておらず、支援する側の国連も難民たちの消息を掴み切れていたわけでは無かったのです。
15年の間の通信・情報革命は難民の行動を大きく変化させました。
★アフガン難民の様子はこちらのPVでもご覧いただけます。
2008年制作「アフガニスタン・伝えきれなかった真実」Trailer
※この作品のDVDビデオは完売しています
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