【残り12日!】跡地監督より撮影日誌〜初日編〜
vol. 11 2016-11-30 0
こんばんは!
監督の跡地淳太朗です。
「ほとく」の現場での、出来事や考えたことなど振り返りながら、撮影日誌を書いてゆこうと思います。まずは、一日目の10/19 ”神田川源流” について書いてゆこうと思います。
撮影初日、「ほとく」の物語の始まりの場所である "神田川源流" でクランクインを迎えました。この日を迎える僕の頭の中をまとめてみようと思います。
なぜ神田川を選んだか
「ほとく」は女性がひとすじの糸に導かれて、川を下って行く物語です。
なぜ、川というモチーフ、"神田川"を選んだのか。
それは、大学時代の "街歩きの体験" と 最近友人が勧めてくれた一冊の本 "アースダイバー" に由来します。
"街歩きの体験" は大学のゼミにて、江戸時代からある古い東京の街々を歩き、その場所がどんな物語を持つかを想像するという不思議な授業で経験しました。
そこで、川は常に江戸の人々の生活に寄り添う存在でありながら、ときには命もろとも全てを奪う存在だと知りました。
川は、どの時代でも人に崇められ、畏れられ、あるいは異界との境界を引く存在でした。
"街歩きの体験" を少し経験しただけの僕ですが、体感的に古い街と川の関係を知ったことによって、僕にとって川はとてつもない魅力を持つものとなりました。
"アースダイバー" という本は、まさにそんな "街歩きの体験" のさらに奥へ行く "歴史歩きの体験" を導く本でした。
SEiの詩を読んだとき、僕は "糸は人と人を結ぶ、関係性のようなもの" に感じました。
そこでふと、僕は都市に張り巡らされた、蜘蛛の巣のようなものを想像しました。
仮にもし、「人間関係が見えたとしたなら」という問いが浮かんだのでした。
広大に広がる人間関係に絡み取られて、結びつき合って、ときには断絶して都市に生きていることを想像しました。
そして、SEiの毛糸を編み込んでゆく様子を見て、都市をひとすじ横断する "始めと終わり" を生み出す流れを連想しました。
それが "神田川" です。
東京から始まり、東京湾という海にかえってゆく川。
そこで営まれる、かさなること、からまること、「ほとく」ことを物語にしたいと考えました。
これが「ほとく」が "神田川" と結ぶついた所以です。
SEiの詩については、また次回詳しく触れてゆきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
撮影の現場のこぼればなし
撮影場所は、神田川の源流でした。吉祥寺近郊です。
終了時間について、ぼくは「終電には終わるよー」とみんなに伝えましたが、
この日の撮影は夕食も取れぬほど過酷で、
16時頃から始まり撮影が終わったのは翌日の朝7時でした。
朝焼けと共に、メンバーそれぞれの職場へとトボトボと消えてゆくのでした。
その後の撮影でも「終電で終わるよ!」はことごとく約束を守れず、
現場が最後の方では、本当に夕方で撮影が終わる日もみんな警戒していました。
<この日のメンバー>
出演 :水越朋
衣装:SEi
DP:齊藤領
フォーカスプラー:山崎聖史
録音:高橋玄
メイク:井上好美
制作:安藤龍司、町田拓也
撮影助手 照明部 助監督 車両部 特機部:松尾健太
監督:跡地淳太朗
<この日のスペシャルサンクス>
air vision 宮内和義さん(NINE BOT!)
跡地淳太朗