FUNDED
「火づくり」制作レポート（2019年6月号）
vol. 32 2019-06-27 0
皆さん、こんにちは。「火づくり」の監督の松浦です。
６月も今週で終わり、本当に、あっという間に２０１９年も
半分が終わる、という感じになってきました。
東京は梅雨になり、雨が降ったり止んだりして、不安定な気候です。
肌寒かったり、蒸し暑かったりで、体温の調整が難しいですね。
皆さんはいかがお過ごしですか？
「火づくり」は、変わらずに、スタッフの皆さんと制作を進めております！
明後日の土曜日、定例MTGの予定です。
新規のカットもいくつかチェックする予定です。
いつもながら、スタッフの皆さん、関係各位の皆さん、ご理解と
ご協力、ありがとうございます！
小噺コラムのネタを考えていたのですが、先日、電車の中で、
ふと、「中村晢さん」というお医者さんの活動をTVで見たのを
思い出したので、そのことについて書いてみたいと思います。
中村晢さんは、１９４６年生まれのお医者さんです。ご専門は、神経内科です。
NHKのドキュメンタリーか何かで見たのがきっかけでした。
アフガン難民の治療に関わった時、現地の悲惨な状況を見て、
医療行為だけではなく、井戸と水路の工事に着手し、見事それを実現させ、
荒廃した大地が様変わりし、ピーナッツなどの作物が採れるようになった、という
エピソードでした。
現地の人々は、栄養不足や衛生問題などが発端で、感染症などの病気を
引き起こしてしまっていたようで、、その事に気付いた中村さんは、「根本解決」の
ために専門分野ではない建設業に着手すると、、、
びっくりですよね。
「お医者さん」なのに、「井戸と水路」を作るって、、、
・・・現地の若者が、過激派組織に加担していってしまうのも、経済的な自立が困難、
という状況もあるようで、作物が取れるようになれば、それを売って商売が成立し、
人々の経済的自立にもつながる、という話も紹介されていました。
この図式、すごいですよね。まさに「平和貢献」
しかも、作って終わり、ではなく、現地の人に対して、具体的な工法をマニュアル化したり、
子供や若い人にそれらを教えるための学校を作っている、という話も最後に出てきて、
見ていた僕は「目から鱗」でした。
「いかなる問題も、それを作り出した意識によって解決することはできない」
これはアインシュタインの言葉ですが、まさにそれを体現している行動だと思いました。
そして、フレデリック・バックさんの「木を植えた男」みたいな話ですよね、、、
すごいなぁ・・・
僭越ながら、自分が「火づくり」を作り始めるきっかけになったのも、
遠からず、このような問題意識の「感じ方」が、あったからかもしれません。
世の中でも、自分自身にも、色々なことが起こって、「なんか違うぞ」とか
「それってどうなんだろう」という、うっすらとした疑問や不審が絶えずありました。
やっぱり大きいきっかけになったのは、3.11の震災だった気がします。
3.11以降、生活や仕事の変化は色々とありましたが、もっともっと根本的、
本質的な、根っこの根っこ、もっともっと深い深い深ーーーい、、、部分では、
「このままじゃいかんでしょ」という想いが、こびりついたままでした。
自分が感じてしまったその「問題」を解決するためには、今、自分が手がけている
手法、やり方だけでは歯が立ちそうにない、という結論に至り、クラウドファンディングという
活動を通じて、動き始めたのです。
「社会課題」に対する「貢献度」という意味では、中村哲さんのご活動には
遥かに及ばないけれど、綺麗事を言わせてもらえれば、やっぱり、自分の描いた絵や
作った作品で、人々の心がちょっとでも潤ったり、豊かになればいいなぁ、、、という
願望は常にあります。
一方で、自分が無意識に犯してしまっている罪や、仁義や大義に背く言動については、
自分の中で絶えず絶えず、反省し続け、同じ過ちを犯さないように、常に意識を柔軟に
保ちたいです。
つい先日、数年前の自分の行動を猛烈に反省する機会がありまして、、、汗
ご迷惑をかけてしまった皆さん、本当に申し訳ありませんでした。
ああ、こういうこと書き出すと、ネガティブな体験と記憶ばかりの話になるので、
やめておきます（苦笑）
なんだか今回は取り止めのない話になってしまいました。すみません。
受注の仕事も慌ただしいですが、「火づくり」も、しっかり進めております。
有難いことに、僕自身は病気や怪我もなく、極めて健康です！（肩こりはあるけど）
作品を何とか年内に完成させるべく、２０１９年の後半戦、油断せず、進めていきたいと思います。
皆さまから頂いたご支援金は、大切に大切に、使わせて頂いております。
改めて、温かいご支援、本当にありがとうございました。
完成まで、今しばらくお待ちください。
今後とも、短篇アニメーション「火づくり」を、どうぞよろしくお願い致します。
「火づくり」監督/松浦直紀