「火づくり」完成予定日延長のお知らせ
vol. 18 2017-11-02 0
こんにちは。監督の松浦です。皆さんへの報告が遅れてしまい、大変申し訳ないのですが、短篇アニメーション「火づくり」の完成予定日を2018年3月末まで延長させて頂くことになりました。
支援者の皆さんには当初の予定より、もうしばらく、お時間を頂くことになってしまいますが、どうかご容赦頂きたいと思います。
完成後は、東京都内に限らず、可能な限り、国内の主要都市で、上映を行えるように準備中です。
また、国内外の映画祭やコンペティションにも積極的に出品していく予定です。
スケジュール延長の主な理由としては、「より良いクオリティにするため、相応の時間がかかってしまう」というものです。
また、私自身も、10月上旬までは、普段の仕事をしながらの作品制作でしたので、日々、細かい部分で作業時間を捻出するのが難しかった、という事情もあります。
現在、参加してくれているスタッフの皆さんも、基本的には、この作品のための時間を優先してくれていますが、当然、他にも様々なお仕事を抱えているので、それらの物量やスケジュールとの調整をしてもらいつつ、、、という状況のため、100%私の思うような時間の使い方にはならない、という事情もあります。
また、「アニメーションの動画制作を国内で行いたい」という気持ちもあり、動画スタッフさんの確保に苦労している、という点もあります。
今、私が採択している制作工程は、日本国内のアニメーション制作会社が用いてるモノと類似した制作工程です。「原画さん」がレイアウトと原画を描き、そのあとに、「動画さん」が、原画と原画の「中間の絵」に当たる、「中割り」という絵を描いていきます。
昨今、日本国内のアニメーション制作における「動画」という機能は、半分以上が海外スタッフ(主に中国や韓国)への発注をしていることが通例で、私が普段、仕事をしている現場でも、それはとても普通なことです。
ですが、この「火づくり」は「日本の伝統工芸士の鍛冶職人」を扱った題材であることから、「時間がかかっても、日本人の手で、丁寧に作り上げたい」という私個人の切実な願いがあります。
それゆえに、相応の時間とお金が必要、という事情も制作スケジュールに大きな影響を与えています。
そして、ここからちょっとシビアな話なのですが、作品の制作費は、合計で800万円を超える規模になってきており、皆さんから頂いた支援金は、すでにスタッフの人件費として、使い切っております。(主に、原画さんや、背景を描いてくれているスタッフの人件費です)
現状は、私個人の私財で運営していて、貯金を全額投じて、日々の運営を行なっております。文字通り、「人生がかかっている」のですが(笑)自分の考えで始めたことなので、悲観的になっている訳ではありません。
現在は、作品完成まで、自分の生活費をできる限り、押し下げながら、制作費を捻出している状態なので、そことのバランスも、日々苦心しているところです。(通帳の残高を見る度に、ドキドキしています・・・笑)
現在、普段のお仕事の営業は行っておらず、2017年12月いっぱいまでは、他の仕事の予定を入れないつもりですが、制作費を確保するため、2018年1月以降は、また何か仕事を受注して、少しでも制作費に回さないといけなくなる可能性もあります。
別の仕事の予定を入れることになれば、必然的に「火づくり」の作業時間が軽減されてしまうため、その点も懸念しておりますが、2018年3月に完成、というラインは守れるように、なんとか踏ん張りたいと思っています。
「制作費が800万円以上かかることは、最初から予測していなかったのか?」というご意見をお持ちになる方もいらっしゃると思うので、もう少し、ご説明致します。
企画を始めた当初、実質的な作品の根幹である「絵づくり」に関わるスタッフは、多くても3、4名の規模に留める予定でした。予算的にも、300万円程度で完成できるような内容にするつもりでしたが、現在、主要スタッフになっている一人の友人が、この作品に、興味と意欲を示してくれて、色々な議論と意見交換を重ねた結果、彼の正式な参加に伴い、作り方を全面的に改変する方向へ、舵を切りました。
その方向転換は、監督としての私の判断なので、「予算が膨らんでいることを彼の所為にする」という考えは全くありません。「彼が参加してくれるなら、こういう作り方にしたい」という、私の個人的な想いで舵を切ったので、その判断に対して、後悔や反省は全くしていないですし、むしろ作品のクオリティは、彼の参画によって確実に向上しています。
その流れから、この作品の制作主体は、「松浦という個人作家」という枠組みを超えて、「集団制作」という運営規模に鞍替えを行いました。(その「集団」の代表・責任者はあくまで私であり、「監督」が松浦であることは変わりありません)
実は、クラウドファンディングの募集をスタートする間際で、その判断をしていました。そのタイミングもあり、クラウドファンディング開始後は、そちらの運営と、その時の仕事で手いっぱいになってしまい、総予算の金額を見積もる作業が後回しになってしまった、という経緯があります。(制作会社が行うような作品であれば、そういった予算管理やマネジメント業務は、プロデューサーや制作進行が担っているのですが、この作品のそれらの機能は、全て私個人で行なっていますので、思うように時間が作れなかった、という事情もあります)
皆さんにはご心配をかけてしまうようなお話ばかしで申し訳ないです。
シビアな話題ばかりになってしまいましたが、UQiYOさんによるテーマ音楽「DryDryTry」のミュージックビデオ(MV)は11月15日にyoutubeで公開予定です。こちらも本来であれば、曲のリリース日である11月8日に合わせたかったのですが、上記のような事情から、映像としてのクオリティ落とさないため、一週間の追加時間を頂くことになりました。
関係者の皆さんにはご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。本編の中から、いくつか優先してカット制作を行なっておりますので、本編をお待ち頂いている皆さんには、進捗のご報告を兼ねて、作品の世界観や雰囲気などを楽しんで頂けると思います。また、支援者の方々へのリターンとして、高解像度のMVのムービーデータもダウンロードできるように致します。こちらも合わせて準備中ですので、どうか楽しみに待っていて頂きたいと思います。
ご報告とご説明としては、以上になります。
長文になってしまい、失礼致しました。
また、最後になってしまいましたが、支援者の方の中で、アップデート(ニュースレター)のお知らせが届いていなかったり、モーションギャラリーさんでのアカウントが消滅(?)してしまい、アップデートのコンテンツを閲覧できない、という方がいらっしゃるようです。そのようなトラブルがある方は、個別にメールをお送りする、ということで対応致しますので、お名前と一緒に下記のメールアドレスまで、メールをください。
hizukuristaff@gmail.com
また、その他、作品へのご意見、ご質問等があれば、お気軽にお寄せください。
今後とも、短篇アニメーション「火づくり」を、どうぞよろしくお願い致します。
「火づくり」監督/松浦直紀