2週間経過
vol. 5 2015-10-30 0
お世話になっております。平泳ぎ本店の松本です。
稽古開始から2週間が経ちました。お陰様で経過は順調です。昨日の稽古では懸案だったある役の造形について、ひとつのブレイクスルーというか解決の糸口みたいなものが掴めたので稽古場が大いに沸きました。しかもそのキャストがダブルキャストのうちの当初は予定されていなかった方の組み合わせだったりします。そういう瞬間にはつくづく「演劇って面白いなぁ」と思います。
さて、同じくこのMotionGallery様でダンス評論家の乗越たかおさんという方が海外のダンスフェスティバルへの渡航費捻出のためにクラウドファンディングに挑戦され、あっという間に目標額を達成されました。(こちら)すげえな!と、思いつつ、実は僕自身乗越さんの著作を読んだことでそれまで全く興味のなかったダンスに興味を持ち、公演にも足を運ぶようになったので(要はファンだったので)、微力ながら応援させていただきました。(自分のプロジェクトの心配しろよっていう話でもあるのですが、それはそれとして自腹で、ということです。)
それでその乗越さんも書かれていたのですが、世の中には国や財団の文化助成制度があり、フリーの人でも差別なく支援を受けられるようになっています。演劇にももちろん様々な助成はあるのですが、申請には時間や実績が必要です。今回の平泳ぎ本店の公演のように全くの初回公演でなおかつ準備期間が短い場合、それらの助成を受けることは難しいです。「急いては事を仕損じる」というのと「鉄は熱いうちに打て」という2つがあり、今回ほとんど迷わず後者を選んだ訳ですが、こうしたときにクラウドファンディングは頼れる力になるのかなと思いました。「うおおぉ、やりたい!!」と思ったときに走り出せるというか。若いんだからあとは走りながら考えればいい。
今回の公演を行うと決めたのは「俳優は絶対に稽古場にいなきゃダメ」と強く思ったからですが、やはりというかなんというか、実際に稽古場にいると色んな事を沢山考えます。目の前の俳優たちの稽古を見ながら山ほど言いたいことが出てきます。そんなこんなで誰に宛てるわけでもなく、誰が得をするわけでもありませんが考えたことを平泳ぎ本店のブログに書いたりしています。これまでブログなんかやったことなかったので、書きたいこと、言いたいことがあるということに自分でも驚きます。書きたいことをもっと正確に書くために、言いたいことをもっと豊かに表現するために、もっと演劇の事を勉強したいなと素直に思います。こういうことがもしかしたら自分なりの生きがいなのかなと思ったりもします。長くなりましたが何が言いたいかというと、主宰としては早くも「やってよかった」と思いつつあるということです。笑
参加してくれている俳優たちが何を感じ、何を思っているかは推して知るしかありませんが、少なくともはたから見ている人間として日に日に彼らの演技や表現が練られて面白くなっていくのを見るのはとてもとても楽しいことです。平田オリザさんも「楽しくなければ演劇じゃない」と仰ってました。その意味では、平泳ぎ本店もきちんと演劇をやれているのかなと思います。
さて、稽古も中盤に突入して参ります。作品としてのより一層の躍進を期して、コツコツ頑張りたいと思います。
引き続き皆様の応援、お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
平泳ぎ本店 主宰 松本一歩