近況報告&残り7日間となりました。
vol. 7 2024-06-01 0
みなさま
ここのところアップデートが途絶えてしまい申し訳ありません。
先日上田でのはじめてのツアー公演が無事に終了し、『若き日の詩人たちの肖像』はすべての公演を無事に終えることができました。
上田でのツアーの様子はnoteのマガジンにまとまっております。
こちらももしよろしければぜひご覧ください。
平泳ぎ本店『若き日の詩人たちの肖像』2024年5月犀の角公演|平泳ぎ本店 H i r a o y o g i C o . @hiraoyogihonten #note
https://note.com/hiraoyogihonten/m/m0087a86978c7
東京公演、上田公演とも応援し、気にかけていただいた皆様誠にありがとうございました。
上田では素敵な出会いに恵まれ、元々私が犀の角へ足を運ぶきっかけとなった全国小劇場ネットワークの野村政之さんが観にきてくれたり、福島から新潟劇王で一緒になった劇団捨組の紺野ステカセさんが観にきてくださったり、私がずっとアルバイトでお世話になっていたお店のマスター(現在軽井沢にてオーベルジュをされています)が来てくださったり、研究所の後輩が見にきてくれたり、ものすごくお世話になっている劇団SCOTの重政さんが犀の角へお越しくださったりと、まだまだとても書き足りないくらい、たくさんの嬉しいことがありました。
東京へ戻ってきてからも、高田馬場経済新聞さんのラジオにお招きいただき、アフタートーク的に作品について、野外演劇祭についてお話しさせていただく機会もいただきました。興奮してたくさん喋って、喋りすぎてしまいました。
https://www.youtube.com/live/loH2x2io87U?si=EGXSXHmwcrkqvbGb
公演自体も犀の角の空間に合わせて思いきってつくり直し、犀の角でしか上演できないものになりました。
恥ずかしながらこれまでに作品をつくって褒められた経験があまりなかったものですから、こうして多くの方に喜んでいただける作品になったことについてあまり実感がないというか、すこし不思議な気がいたします。
「ああ、なんだかこの小説とても素敵だな」という、とても素朴なところからスタートして、いざ一年以上かけて創作を進めてみる間に世界も同じかそれ以上に歩みを進めたことで、作り手の私自身が「なぜ、今この作品を上演することになったのか」について深く考えることになりました。
ものすごく卑近なところでいえば『虎に翼』が放送されていたり、唐十郎さんが亡くなったり、そうしてウクライナのことがあり、パレスチナのラファのことがあります。
ひとつ一つのことが独立して、でも一つの「時代」という窓を通してそれらの物事を眺めている自分という一個の人間がいます。
今回の創作を通じて私がずっと考えていたのは、私が暮らすこの日本という社会に「あたらしい個人主義」とでも呼べるものが到来しないだろうか、ということでした。
全体主義の「空気」に呑まれるのではなくて意思決定の場に誰もが居合わせ、意見をいい、その上で自分と異なる考え方も認め分かり合い、わかりあえなくても多分に譲歩し、時にぶつかりながらより良い生を求めて考え続けていく。
黙らずに、しかるべき主張をなるべくきれいな言葉で積み重ねていく。
日本人という人たちが持つ国民性とでもいうべきものを、すこしでもいいからアップデートしていくこと。それも新しい時代に合わせて、新しい時代に暮らす人々が一人でも多く幸せになれるように、人々の意識を変革していくこと。
私たちがもっている言葉にはそういう力がある。そうして言葉が言葉を超え、言葉そのものの意味や字面だけではなくて、時にうっかりそれ以上のことを伝え、人を動かしていくことがあると信じられるかどうか。
今回野外劇を上演してみながら、そんなことをずっと考え続けていました。
多くの方々から支えていただき、今回のクラウドファンディングも残り7日間となりました。
どうぞ最後まで引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。
平泳ぎ本店 主宰
松本一歩
犀の角の初日を終えた後に、皆さんと。