コラム12:5月の「百回忌追善巻通し」実施で実感したこと
vol. 16 2023-09-26 0
皆様こんにちは、鈴木まどかです。募集期間は残り3日半となりました。
昨日、ありがたいことに目標額を達成いたしました。
皆様のご支援に心より感謝申し上げます。
記録保存のための費用などを捻出するため、9月29日(金)23:59まで、
引き続き、よろしくお願い申し上げます。
さて、本日は今年5月の「巻通し」で実感したことを紹介いたします。
今年5月13日、「寛政5年(1793年)杉山検校百回忌追善巻通し平家の再現」を開催しました。
7名の出演者が、「開口」の短い一節と、巻通しの、併せて13句を語りました。
追善平曲会については、時間配分を明確に判断できる記録がなく、
巻通し12句については、省略せずに一句通しで語りました。
この結果、修祓・解説・休憩を含めて9時間余りの演奏会となりました。
一句、通常の語りでは省略する「間の物」を含む句があり、
当初語る予定だったのを省略することで、予定時刻に終えることができました。
超過してしまった時間は、
・出演者の入替と楽器の調絃確認
・休憩時間
に理由がありました。
入替については、幕末の一ツ目弁天年中行事の記録のように、
数人がいちどに並んでおくことで、大幅に時間を短縮できます。
楽器は絹の絃を張っているため、温度湿度の影響で開放絃の音が下がりやすく、
どの演者も、毎回、語る直前に時間をかけて調絃しなおします。
幕末の記録をみますと、琵琶は一面か二面を使いまわしているので、
音が安定している琵琶を選んで、調絃の時間も大幅短縮したのでしょう。
上演時間が長くなれば、休憩時間も必要になります。
出入りは自由としていましたが、
それでも「休憩」と設定した時間にお手洗いが込み合いました。
幕末の年中行事は、神事から終演まで3時間~4時間で出入り自由でしたので、
休憩時間の設定も不要だったのだと思います。
当プロジェクトでは、当日10月21日は、
・3人ずつ並ぶ
・入替の時点で調絃を済ませておく(直前は確かめるだけ)
・ひとり10分前後の語りとして、神事から終演まで4時間とする
というスタイルで試みます。