コラム04:当道座の年中行事
vol. 5 2023-09-13 0
皆様こんにちは、鈴木まどかです。
募集開始から1週間で、目標額の55%を達成しました。
引き続き、皆様のご支援やご紹介をお願い申し上げます。
さて、旗本ベッドタウンの一等地に置かれた当道座の役所「惣録屋敷」では、
京都の「職屋敷(しきやしき)に倣い、
旧暦二月十六日に「積石会」
旧暦六月十九日に「納涼会」という年中行事を催し、
当日は平曲の奉納演奏をしていました。
『遊歴雑記(文化~文政)』『江戸名所図会(天保七年)』『東都歳事記(天保九年)』などに、
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また幕末に参勤交代で江戸にて平曲を学んだ先祖の記録にもたびたび出てきますので、
少なくとも文化年間~幕末まで存在していた行事といえます。
出演者の数や開催時刻などは、その年によって異なるのですが、
・神楽など神事から始まる
・句組は貼り出されている
・盲人が数人並んでいる
・琵琶は一面または二面である
・「裃の輩」から琵琶を渡された盲人が平曲を語る
・一句まるごと語るのではなく、抜粋で数行だけ語る
・巧拙はさまざまである
・聴衆もさまざまで、終演後に茶を振る舞う者もある
という点は概ね共通して描写されています。
次の記事では、この「巧拙さまざま」について書きます。
『遊歴雑記』該当部分です。