『波伝谷に生きる人びと』を観る前に~波伝谷での試写会②~
vol. 51 2015-03-14 0
こんばんは!プロジェクトマネージャーの野村です。
昨日からスタートした波伝谷での試写会をとおして映画の軌跡を追いかけるシリーズの2回目。今日は2012年11月に行われた第二回途中経過版試写会です。
監督は2011年12月に行われた『波伝谷に生きる人びと―第1部―ENTER THE PLENTIFUL WORLD ! 』(詳細は前回のアップデート記事へ)の6時間にもおよぶ試写会の後、観客の反応などから考え抜いた末に第3章まで作りきることを断念して映画を2時間にまとめることにします。しかし、その編集はなかなか思うように進みませんでした。そんな葛藤と試行錯誤の最中、監督に「東北゛エイガ」(※)に出品しないかと声がかかりました。しかも出品作品は30分に編集する必要があります。長編にこだわっていた監督ですが、シンプルに編集することで「これまでとは違った新たな映像の見方ができるのではないか」と考え、愛着のあるシーンと向き合いながら、絶対必要な芯となる部分だけを選び削り落としていきました。
そうして生まれたのが『ENTER THE PLENTIFUL WORLD !』というタイトルの56分の作品であり、そこからさらに縮めて「東北゛エイガ」のための30分バージョンが生まれます。そして30分バージョンは「東北゛エイガ」に出品され、その元となった56分バージョンを途中経過版として波伝谷で上映されたのが2012年11月のことでした。
監督は試写会のチラシを抱え、波伝谷の住民が住む仮設住宅などを、その反応を確かめるように1軒1軒訪ね歩いたといいます。会場は波伝谷の人たちが分散する2か所の仮設住宅の集会所で行われました。それぞれ1日3回ずつ計6回の上映を実施し、波伝谷の人びとや支援関係者ら108人が来場しました。お年寄りと子供は中央のコタツに入り、その周りにみんなが座るアットホームな試写会となり、中には監督の声掛けにより集った小学生から高校生までの若い人や、東京より慰問に来ていた太鼓教室の子ども達の姿もあったという上映会の報告および映画の編集過程などは、ピーストゥリー・プロダクツ公式ブログの以下の記事をご参照ください。
「第6回:うっ、生まれました!!」
(2012.12.8、2011年12月の試写会の波伝谷での反応について監督が記しています。)
「第7回:小規模ながらも中身は濃い 『ENTER THE PLENTIFUL WORLD !』波伝谷上映会2012」(2012.12.9)
※「東北゛エイガ」とは
東北6県の映像制作団体・映画上映団体が協力し、東北を舞台に作られた作品を上映するための共同プロジェクトです。監督の「東北゛エイガ」報告についてはピーストゥリー・プロダクツ公式ブログ「第8回:「東北゛エイガ」に参加しました!」(2012.12.10)をご覧ください。