【岡田利規・金氏徹平コメント】クラウドファンディングにあたって
vol. 4 2024-04-25 0
こんにちは!
2019年に京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENTにて世界初演を迎えた『消しゴム山』
3年ぶりの東京公演が2024年6月7日(金)〜9日(日)に世田谷パブリックシアターにて開催されます。
本作は東日本大震災後の陸前高田での様子をきっかけに、演劇カンパニーチェルフィッチュが「人間中心主義の逸脱」というテーマで人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのか、という挑戦からスタートしました。
この挑戦を実現するために、美術家・彫刻家の金氏徹平をコラボレーターとして迎え、人とモノと空間と時間の新しい関係性を舞台上に提示しました。
金氏さんは身の回りにある日用品や雑貨をモチーフに、これらをコラージュした絵画、立体作品やインスタレーションを制作する美術家・彫刻家です。その作品の中では、モノは人に使われる道具としてのあり方から解き放たれ、他のモノたちとの新たな関係を結びながら全体を構成しています。
今日は作・演出 岡田利規、セノグラフィー金氏徹平がクラウドファンディングにあたって寄せたコメントを紹介します。
作・演出 岡田利規(演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰)
©︎Kikuko Usuyama
『消しゴム山』を上演するというのは実は、世界・社会・人類が現在直面している問題の数々はそれらが『消しゴム山』的ノリで営まれさえすれば ただちに消え去るであろう、という巨大な妄想のもとになされる企みです。そのような演劇作品――そのような作品だからこそ――をチェルフィッチュが発表すること/発表し続けていくことが持ちうるささやかな力に賭けています。
セノグラフィー 金氏徹平(美術家・彫刻家)
世界を1から作ることは想像するのも難しいことですが、今ある世界に別の視点を投げかけることであればなんとかできるのではないか?
しかしながらやはり途方もなく難しいことではあります。そこに立ちはだかる巨大な矛盾、強力な既成概念は世界の問題そのものかもしれません。ある意味、今ある世界と相入れない「消しゴム山」に対して、全てのスタッフや俳優は関わり方を見つけることはそれぞれに大変な作業でした。
この作品を今ある世界に存在させるためには、作品を経験すること、またはクラウドファンディングによって参加することも大きな役割を担っていると言えるでしょう。
二人のアーティストのコラボレーションによって生み出された「消しゴム」の世界をぜひ劇場で体感してください。
クラウドファンディングのリターンには実際の舞台美術を用いた金氏徹平による小作品があります。支援者のために制作される、世界に一つだけの作品で、あなたの家にも「消しゴム」の世界が出現します。
詳しくはプロジェクトページをご覧ください。
4月25日(木)時点で100,000円を突破!
ご支援いただいた皆さま、ありがとうございます。
引き続き応援よろしくお願いします!