プロダクションメンバーに聞く!『消しゴム山』のここが面白い!〜キャスト編〜
vol. 3 2024-04-23 0
こんにちは!
2019年に京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENTにて世界初演を迎えた『消しゴム山』
3年ぶりの東京公演が2024年6月7日(金)〜9日(日)に世田谷パブリックシアターにて開催されます。
本作は劇場版『消しゴム山』、美術館版『消しゴム森』という二つのバージョンからなる演劇作品です。その後もモノのための空間である美術館での『消しゴム森』は、劇場版『消しゴム山』とは全く違った体験を生み出しました。プロジェクトはさらに、コロナ禍で始まった日常空間版『消しゴム畑』をはじめ、書籍版『消しゴム石』、小説版『消しゴム式』、音楽イベントでのパフォーマンス『消しゴム草』と、様々に形を変えて展開し続けています。
本日は2019年の初演クリエーション時から共に「消しゴム」プロジェクトを創り上げてきたプロダクションメンバーに、『消しゴム山』の魅力について改めて聞いてみました!
今回はキャスト編。『消しゴム山』は「人間中心主義からの逸脱」というコンセプトに基づいて、舞台上では俳優はモノたちと関係を結び直すための「半透明」になる演劇メソッドを展開しています。
クラウドファンディングでは達成状況によって「チェルフィッチュと一緒に半透明になってみよう」ワークショップを実施。子供から大人まで、『消しゴム山』のコンセプトを実際にワークショップで体験することで、モノと人との関わり、世界を見つめる視点を広げていきます。<過去のワークショップの様子(precog note)>
実現に向けて皆様の温かいご支援をお願いいたします。
青柳いづみ
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
ヒトのためではなく、モノのための演劇をつくろうとして始まった作品ですが、これはもう演劇ではない、大きな何かのかたまり、これ自体がひとつのモノのよう。でもこれは、たしかに演劇でしか成し得ない、モノ。何だか世界がおかしなことになっている、いやこれまでもずっと世界はおかしかったことを、モノは知っている。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
人間が人間人間しないでこの世界に、もっと今よりも、しかるべき感じで存在をするために、どうしたらいいのか。
『消しゴム畑』という映像作品の中で岡田さんのテキストに書かれてあったことを、何でもすぐに忘れてしまう私達は、もう忘れないようにしたい。
安藤真理
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
背もたれにゆったりからだを預けて、家で映画を見るように見てもらえたら面白いんじゃないかと思います。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
モノさん、と呼んでいた舞台を埋めるモノたちと再会して、どのように共演できるか改めて探っていきたいです。
板橋優里
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
消しゴム山に出てくる役者は舞台上のモノ達とフラットな関係になる為に、自身の身体を半分透明にしてみる「半透明」というパフォーマンスをしています。それがどういうものなのか、是非劇場で観て体験していただけると嬉しいです。そして観劇後に、身の周りにある「モノ」たちとの関わり方や、感じ方が変化する様な体験をしていただけたら面白いと思います。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
今回改めて「消しゴム山」に関わる機会をいただき、緊張もありますがとてもワクワクしています。どんな上演になるのか楽しみです。
原田拓也
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
用途や目的を省いた、色、形、質量、素材としてのモノと人が対等に向き合います。
モノとの関係に新しい一面を見出して頂けるかもしれません。子どもにも楽しんで頂けると思います。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
「また「消しゴム山」を多くの方々に見て頂けると嬉しいです。
数年の時を経て人もモノも新たな気持ちで、この度の公演に取り組めると思います。
矢澤誠
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
『消しゴム山』のテキストは岡田さんのテキストの中で最も好きなものの一つです。上演とは離れて、それぞれの時間、生活の中で「消しゴム山を読む」というのもすごくおすすめです。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
初演の2019年はGWが超大型の十連休で、東日本大震災から八年目の年でした。
『消しゴム山』は生々しい寓話です。
百年後とかに、どこかで、この作品が上演されていたらいいなと思います。その前に私たちのバージョンで再演できることがとても嬉しいです。
米川幸リオン
Q.1『消しゴム山』の楽しみ方/おすすめポイント
もしその「山」が立ち現れたなら、思うままに尖らせたり、均したり、波うねらせたり、掘ったり、ちぎって捏ねてみたり、あるいは消し去ってみたりして過ごしていればいいし、もしその「山」が立ち現れてこないなら、そこに在るモノの佇まいひとつひとつを眺めて過ごしていればいいんです。
Q.2『消しゴム山』東京公演(2024)に向けて
〈人間的尺度を疑う〉というコンセプトを掲げた演劇『消しゴム山』──「いま・ここではない別のどこか先」へと向けて行われる上演──が、いま・ここ/二〇二四年の東京で、どのような情景の内にむくむく立ち現れるのか、そのことにとてもワクワクしています。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ、ご観劇の参考にしてください。
『消しゴム山』をもっと知りたいという方は『消しゴム石』がおすすめです。『消しゴム山』、『消しゴム森』の戯曲や上演記録、インタビュー、批評などが凝縮された「消しゴム」シリーズの書籍版。リターンには岡田利規・金氏徹平のサイン入り『消しゴム石』もご用意しております。
クラウドファンディングも2週間が経過しました。これまでご支援いただいた方に感謝申し上げます。また、これからクラウドファンディングを通してさらに多くの人と出会っていけますように、引き続き応援よろしくお願いします!