Rinpocheの来訪
vol. 24 2014-08-24 0
各遊牧民コミュニティーの指導者たちと、エキシビション二日目にRionpocheを迎えるための議論中。
アーティストたちの制作が進む裏側では、エキシビション当日の朝までバタバタしていた。
Tsomoriri湖畔・Korzok村には歴史300年を誇る僧院がある。その最高僧Rinpocheがエキシビションに来たがっているそうだ、という情報が入ってきたからだ。
Rinpocheは、敬虔な仏教徒の遊牧民の人々はもちろん、学校の先生、生徒たちにとっても精神の象徴的存在で、自分達よりも「高み」にいる存在だ、と言われている。
その人が来るのか、それとも来ないのか、で準備が大きく異なる。
折しも、エキシビション初日・8月10日は満月。この日は、Rinpocheの満月の説法があり来られないが、二日目の11日はスケジュールが空いているということ。しかし、僕たちが予定しているセレモニーはもちろん初日で、二日目には政府のオフィサーも来る予定はない。Dechenさんや校長先生は、「Rinpocheが来るのに、オフィサーが誰もいないというのは不敬にあたる」という。
そのあたりを確認するため、4つの遊牧民コミュニティーの指導者たちが、エキシビション前日に遥々車で2時間かけて学校に来てくれた。
集団を背負っているだけあって、それぞれに風格を漂わせている。
「Rionpocheには、私たちから事情を説明するから大丈夫だよ」と一役買ってくれることになった。
Rinpocheを迎える日。誰もがそわそわしていた。僧侶の先発隊が到着すると、生徒たち、先生たちが列をなし、出迎える用意。Rinpocheが乗った車が到着すると、頭を下げ、その到着を歓迎した。遊牧民コミュニティーの指導者たちも勢ぞろいしている。
Rionpocheを一つ一つの教室へ案内し、アーティストが各々の作品を説明。Rinpocheは、アートへの関心が深く、一つ一つの作品をじっくり耳を傾け、鑑賞した。
(藤井龍さんのビデオ作品を鑑賞中のRionpoche)
Team Dragon Tailorsのファッションショー、樅山智子さんと生徒たちのサウンドパフォーマンスも含め、丸一日エキシビションの全てを鑑賞してくれた。最後には前日にお坊さんたちが描いてくれた砂曼荼羅の解説と、それを崩すところまでいてくれた。
「Rinpocheがこんなに長い時間いてくれるなんて、滅多にないことです。それに直接コタ(上の写真で僕が首に下げている白い布)をかけてもらえるなんて・・・凄いことです」と先生たちは感激していた。
プーガ宣言(アップデートvol.20を参照)にも署名をしてくれ、「いつでも連絡を下さい。遊牧地域で暮らす私たちこそが、発信することの大切さをとても感じました。このような機会をありがとうございます」との言葉をもらった。彼の言葉は、地域の人々にとって絶大なる影響を持つ。僕たちは心強い賛同者を得たのだった。
okazu