ヤギを買うためのお金をスマホで電子送金(小松)
vol. 6 2016-07-13 0
東アフリカに滞在中、一般家庭に泊めていただく機会がありました。
その家に向かう前に、泊めていただくお礼として、道中でお土産にヤギを一頭、購入することに。 東アフリカでは、家畜としてヤギが広く飼われていて、資産としても重宝されているそうです。
「昔から変わらない風習なんだろうな。牧歌的でいいな~」と思っていたら、ヤギを買うためのお金を、泊めてもらう予定のご家庭の人に送金して、向こうで買ってもらうとのこと。意外と合理的。
しかも、送金はスマホで。
…え、どういうことですか!?
この送金システムは「M-PESA(エムペサ)」という、ケニアの電話会社「サファリコム」が運営するモバイル送金サービスだそうです。
M-PESAは、少額の送金であれば、銀行口座を必要とせず、携帯電話のSMSで手続きや本人認証を行なうだけ。しかも、銀行のように待たされることなく、すぐ送金できる、という画期的なサービス。
東アフリカでは多くの人が銀行口座を持っていないため、携帯電話を使った送金手段がもっとも一般的なのだとか。そのため、携帯電話の普及率も高いそうです。 日本でも『LINE Pay』などが始まりましたが、それよりも先行し、かつ成功しているサービスなわけです。
かくして先方のご家庭に到着すると、すでにヤギはその命を終え、夜の晩餐のために下ごしらえされているところでした・・・!
(M-PESAを介して購入されたヤギは、その日の晩餐に。)
(晩餐に出揃ったヤギ料理。おいしかった。)
うっかり油断をしていたら、東アフリカで独自に発展したモバイル文化に触れて驚いた、というエピソードでした。
cinema stars プロジェクトスタッフ 小松智幸
追記:ウガンダの隣国ケニアの「M-PESA(エムペサ)」という送金システムを、ウガンダの人もビジネスなどで使っています。わたしもケニアに滞在中のある時、ウガンダの友人の誕生日プレゼントに「M-PESA(エムペサ)」を使って、ニワトリ代&ビール代をウガンダへ送金したことがあります。ボタンひとつで便利でした。東アフリカのモバイルマネー事情は、わたしたちの想像以上に進んでいます!(桜木)