実験音楽、サウンドアートって?④
vol. 13 2023-06-12 0
クラファン、いよいよ来週月曜23:59まで、残り8日となりました!最後まで応援よろしくお願いします。引き続き、拡散大歓迎です!!
さて、「実験音楽、サウンドアートって?」というタイトルで始めてしまい、なかなか終わらなくなってしまった投稿シリーズ、今回こそ締めくくりたいと思います。
先日観てきた展示の続きですが、現在、神奈川県立近代美術館(鎌倉別館)では「吉村弘 風景の音 音の風景」展が9/3まで開催中。ちょうど私が訪問した時には準備中だったリーフレットが6/9より先着順で無料配布中とのこと、ぜひGETしてきてください。
1970年代初めから環境音楽の先駆けとして活躍された吉村弘の直筆スコアや、鈴木昭男、小杉武久らと行ったパフォーマンスやインスタレーションの資料、公共施設のための音楽(地下鉄のサイン音や水族館や美術館などの数々の施設の環境音を制作)、1985年に氏自らが撮影した映像作品も初公開されています。資料の中にはCenterにご出演いただいた金沢健一さんや、Centerに飾っている竹音琴(ちくおんきん)の作者・松本秋則さんのお名前を見かけたりと、当時の現場に想いを巡らせつつ、一言ではとても括れない氏の幅広い活動についてじっくりと、目に、耳にすることが出来ました。
▲昨年11月にCenterで開催した金沢健一さんのワークショップ。大きな鉄の盤を振動させ、クラドニ図形の制作に挑戦
翻ってCenterですが、自分たちをどう名乗るのか、スペースについてどうやって説明するのか、取り扱い作品をどのように紹介するのか、という場面でラベリングやジャンルという問題にしばしば直面しますが、明確に線引きするのってかなり難儀だなと痛感しています。(例えば、"実験映画"というジャンルはあるけれど田巻の作品は"映画"では無い。最近はややこしいので「実験的な音と映像の場」とざっくり説明してしまうことが多々あります)
本プロジェクトでは便宜上、「実験映画・実験音楽・サウンドアートを軸とした」オルタナティヴ・スペースと謳いましたが、あくまでこれらは軸であり、さらには街歩きやお酒のイベントなど、自分たちの興味や関心は広く多岐に渡っています。そして栃木・鹿沼という地でスペースを運営していることによって起こる思わぬ化学反応もあったりする訳です。(例えば、先日会期終了した小野久留美×一本杉農園展示「地で泡立つ思考」など)
…すみません、「実験音楽、サウンドアートって?」の締めくくりとしてはなんとも締まりのないものとなってしまいましたが、音にまつわるこんな世界があるんだな、とまずは認識してもらえたようでしたら幸いです。そして、これからも『新しい表現活動が生まれる実験の場』を目指すCenterの行く末を温かく見守っていただけたら幸いです。
とはいえ軸があるからこそのCenter、来月は軸ど真ん中のイベントがあります。
7/8(土) 北京・東京の実験音楽最前線(Live&Talk)
14:30 open /15:00 start 予約2,000yen/当日2,500yen (どちらも1drink 付)
出演:孙一舟 Sun Yizhou (from 北京)、浦裕幸(from東京)、岡川怜央 (from 東京)
中国・実験音楽シーンで最も若い世代である孙一舟が北京より来セン!現在の北京での実験音楽やスペース事情について、東京の第一線で活躍する浦裕幸と岡川怜央を交えてのトークとライブパフォーマンスを行います。今、北京と東京では何が起きているのか?必聴必見です!
尚、中国の実験音楽シーンについてはウェブ・マガジン『オフショア』(2022年から出版物に移行)のインタビューやコラムがとても参考になります。むしろ、こうした話題はオフショアでしか読めないかもしれません。
トークでは、出演者3名とCenter、観客の皆様も交えてざっくばらんに情報交換したいと思っています。
▲(左) Sun Yizhou=北京を中心に中国のアンダーグラウンドシーンで活動している実験音楽家。主にフィードバック装置を使用し、max/mspで即興演奏の制作も行っている。/(右)岡川怜央=東京を拠点とするサウンド・アーティスト。2014年よりフィールド・レコーディングをはじめ、ほぼ同時期より、録音した素材やアナログ機器のノイズ、シンプルな電子トーンによる多層的なコラージュ作品の制作を開始する。
▲(左)浦裕幸=東京を拠点に、国内外での演奏、CDのリリース、音をモチーフとしたインスタレーションの展示、作曲作品の上演などを重ねる。/(右)アジアを読む文芸誌『オフショア』第2号と創刊号はCenterでも取り扱い中です!
Center 河野