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なぜ肉骨茶（バクテー）か？
vol. 9 2023-05-23 0
ご支援いただいた皆様、ありがとうございます。副センの田巻真寛です。今回は、なぜCenterでマレーシア薬膳スープ「肉骨茶」（バクテー）を出しているのか？について書いてみたいと思います。食べ物の話でもありますが、我々の活動の起源にも通じるとても大事な話です。
Centerで提供している肉骨茶
Centerは飲食店ではないですが、宿泊もあり、スペースもあるのだから、何かしら食べ物を出せるといいよね。出すとしたら何だろう？とオープン前に我々は考えました。料理も自分達らしいものが出したい。巷で流行ってるものや、簡単に真似できるものはもっての他！そこで閃いたのが、肉骨茶でした。いや、普通そこは思いつかないでしょ！となりますが、思いついたときはこれ以外にはあり得ない！という感じでした。
話はさかのぼって、10年ほど前。当時、副センは1年に1，2回、長期休暇を取って一人旅をしていた。路上にあふれる活気と生活感、そして屋台めしのとりこになり、数年かけてほぼ全ての東南アジアの国を訪れた。
マラッカの屋台。ガレージを活かしたCenterの1Fに似ている
2013年、マレーシアのクアラルンプール(以下KL)からタイのバンコクへ、陸路で旅をしようと思い付く。そのころKLで国際実験映画＆音楽祭(KLEX)が毎年行われており、世界中から注目されているのを知っていたので、折角なら上映とライブもやりたい！と思い主催のディレクターにメッセージを送った。当然ギャラ無し、交通費も自腹だが、是非やってくれとのことで、単発のイベントとして日本の作品上映とライブをすることに。
実はこの頃、センター長（河野円）と副センが知り合って間もなく、センター長がKLでライブをしたことがあるという話を聞いていた。色々話を伺うと、なんと同じ会場であることが判明！おかげで現地のコミュニティーのことも予習できた。
初めて降り立ったKL。蒸し暑さと香辛料の匂いで気分は最高。会場はチャイナタウンの雑居ビルの最上階、「Findars無限發掘」
Findarsは、写真家、画家、音楽家、映像作家、タトゥーイストなど華僑の若い多彩なアーティスト達が資金を出し合って運営しているオルタナティブスペース。フェスティバルの主宰は、女性の映像作家でボイスの即興演奏者であるKok Siew Wai。彼女はアメリカに留学経験があり、何とTony Conradの教え子でもある(!!)。パートナーはサックス奏者でマレーシア即興界隈の重要人物Yong Yandsen。
Unseen lights and shadowsと題して、牧野貴、葉山嶺、七里圭の作品上映、私のライブ、FindarsのアーティストによるA/Vライブを行った。
Findars内観、もちろん内装はDIY photo by Bannai Roo
それから4年後、有難いことにKLEXフェスティバルから正式招待を受け、私の特集上映、レクチャー、ライブ2本というフルコースで出演することができた。観客からの反応も大変良く、マレーシアは私の思い出の地となった。
カナダのSound of the mountainとの共演 photo by Wong Yok Teng
フェスで知り合ったアーティスト達とはその後も色々なつながりが続いている。ちなみにフェスにはアジアを中心に世界各国からアーティストが集結し、2019年には大友良英氏も出演している。
ライブ前に現地屋台で食べたバクテー
というわけで、マレーシアの縁もありバクテーとなった訳だが、最後にもう1つ。Centerは実験的な表現の場に加え、宿泊、飲食、物販、人々や情報など様々な要素の集合体だ。バクテーも同様、複雑な漢方、具材、出汁が1杯のスープに凝縮されている。バクテーはCenterのメタファーなのだ。
バクテーとは
マレーシアやシンガポールでポピュラーな薬膳スープ。中国からやってきた華僑の労働者たちがスタミナ食として豚スペアリブと漢方を煮込んだのが起源とされています。現地では朝ごはんに屋台で家族で食べることも多い。あっさり＆コショウの辛味を前面に押し出したシンガポール版（白バク）とは違い、マレーシアの肉骨茶は見た目が黒く（黒バク）、10種以上の漢方を調合した豊かで複雑な味わいが特徴です。
Centerでは漢方を独自に研究・調合し、世界でただ一つのオリジナル黒バクを提供します。環境負荷と健康に配慮し、抗生物質不使用・無投薬飼料で育てた鹿沼産麦風どりを使用。米は栃木のコシヒカリ、スープの器は、表情と形がとても美しい益子のネギシ製陶の鉢を使用。コラーゲンたっぷり、調子の出ない方にもおすすめのクセになる漆黒のスープ、ぜひご賞味ください！
※調達状況により原材料が一時的に変更になることもございます
朝食
営業日：金土日月 ※前日までに要予約
7:30～9:00LO
ランチ
営業日：金土、第1日曜
11:30～14:00LO
Bak Kut Teh (Malaysian herbal soup with chicken)
Lunch: Fri. Sat. 1st Sun.
Breakfast: Fri. Sat. Sun. Mon. ※Reservation required
バクテーの完成秘話はまたの機会に。
バクテーのリターンも選べます！100％越えまで応援よろしくお願います！！