クラファン応援対談ウィーク4日目報告
vol. 13 2025-11-06 0
皆様へ
本日は、大嶋栄子(NPO法人リカバリー代表)x 菊池謙太郎(映像ディレクター/ライフヒストリーミックステープ著者) x 坂上香が、ライフヒストリーミックステープ01と02を手がかりに、なぜラップなのかについて話を展開しました。
20名のGenZラッパーたちのライフヒストリーは、それぞれがユニークで、多様で、暴力や貧困の悲惨な生い立ちの若者だけではなく、恵まれた家庭のひとたちも含まれています。その意味で、菊池さんはラップを不良とか、悲惨な人たちという一つのくくりにしないようにセレクトしたといいます。大嶋さん曰く、登場する人に共通するのは、「独特の渇きを持ったひとたち」。なるほど〜。
菊池さんはAbemaの『ラップスタア』のディレクターをされるなかで、こぼれ落ちてしまう話のなかに大切なものがあると感じて、ライフヒストリーミックステープを制作。社会学者の岸政彦さんの『東京の生活誌』に参加され、そこでの経験をインタビューの参考にされたとのこと。
一方、ポール・ウィリスの『ハマータウンの野郎ども』から影響を受けたという大嶋さんは、ケアの現場(暮らしのいろいろな側面)で当事者さんから思わず出てくる語りを、書き残しておきたいという思いから、執筆されているとのこと。
こうして書きながら思うのは、私自身、常に映像に刻もうとしてきたのは、現場で垣間見える対象者のふとした表情や仕草だったり、思わずほとばしり出る言葉だったなということ。今回の映画でも、何度かそんな場面に遭遇しました。たとえば、さりげない会話を聞き逃したくないからと、ICコーダーをあちこちに置かせてもらったのですが、そのいくつかに、思わず少年と市民からこぼれ出した言葉が記録されていたこと。また、休憩時間のちょっとした出来事をカメラの南幸男さんが捉えていて、それが後の場面につながったこと。インタビューを重ねてきた少年が、最後の回に見せた表情と発した言葉、などなど。
〈本日の表現コーナー〉は、ライフヒストリーミックステープ01から、2人のGenZラッパーの歌を参加者の皆さんと一緒に見ました。下記で見られます。
Flashy Naked 「タラチネ」https://www.youtube.com/watch?v=Lan6bUI1SGE
Ganafii「Till I die」https://www.youtube.com/watch?v=X2MYKqHy1xs&list=OLAK5uy_kyxpmX17LF9I1pOJ8ntlJ0W0CHVR1jxiM&index=6
最後に、ケアする立場と取材者としての立場で、ヴァルナブルな人に聴き取るという行為は違うのだろうかということ。大嶋さん曰く、つらくて、ヴァルナブルな状態にある人の話を聴き取る際、彼/彼女らを搾取してはならない。そうならない話の聴き方や表現を、聴く側がつきつめて考える必要がある。聴き取られるという行為が、聴き取られた側にとって、何らかの意味(メリット)をもたらす必要がある。立場の問題ではない。
詰まるところ、何/誰のために聴き取り、何/誰のために表現するのか、ですね。
今日も私は人の名前を言い間違えるなど、ダメっぷり炸裂でしたが、明日11/7は、なんと最終日。“非行少年と市民をつなぐ意味と工夫” FUNI(ラッパー/詩人)x 花崎攝(シアタープラクティショナー) x 坂上香。ラップ・ワークショップの振り返りを中心に行う予定なので、今までで一番映画の内容に入る感じだと思います。乞うご期待!
ギリギリまでチケット購入できます!アーカイブもあります。どうぞよろしくお願いします。
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坂上 香 監督/プロデューサー
