〈第2号執筆者紹介! - 楠田ひかり/スズキタカユキ〉文鯨通信 Vol.2
vol. 2 2016-09-24 0
コレクターのみなさん、このページに立ち寄ってくださったみなさん、こんにちは!文鯨編集部です。
いっきに秋めいて時間の流れの速さに唖然としています。ということは、12月の第2号発刊もあっという間にやってくるということですね。やることが盛りだくさんの編集部ですが、なんとかして12月を達成感で迎えたいものです。
というわけで、さて!お待たせしました。今回の更新は第2号にて "衣服" をテーマとして取り上げる執筆者の紹介です!
文鯨では私たちが毎日手にする身近な "衣服" というジャンルからも言葉を考えるためのアプローチが出来ないだろうか、という思いから今号も衣服という見地から「言葉」を思索するテキストを掲載する予定です。
創刊号では、日本近現代の物質生活史・ファッション史を研究されている井上雅人さんに原稿を執筆していただきました。
井上さんは、若手デザイナーがつくりあげた衣服と、ファッションとデザインの本を中心とした京都にあるセレクトショップ「 コトバトフク」を運営し、大学講師としてもご活躍されています。
前号では、井上さんが幼い頃、自宅の庭で "ジュラルミン" という不思議な鉱物を発見したという記憶の断片から、現代に生まれた服から社会をみるという考古学的視点の語りへゆるやかに繋がるテキスト「服の声を聞く」を執筆していただきました。
第二号では、引き続き”衣服”に着眼して、それも前号とは視点を変えた「手を動かす」過程においてのミクロな一動作に焦点を当てます。
今回取り上げるのはデザイナー・ スズキタカユキさん。大学時代に友人と開いた展覧会をきっかけに映画、ダンス、ミュージシャンの衣装を手がけ、2002年に suzuki takayuki として自身のブランドを起ち上げました。
suzuki takayuki | スズキタカユキ ホームページ
演劇集団「 マームとジプシー」の劇中衣装を提供したり、「仕立て屋のサーカス」ではスズキさんご自身が舞台演出から衣装制作までを手掛けたりしています。また、季節毎のコレクションラインやウェディングドレスラインの発表、ミュージシャンへの衣装提供も行っています。
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そして今回、スズキさんの制作された”衣服”について論考を展開するのは小誌編集部の楠田ひかり。
楠田はスズキタカユキさんの制作現場に今年春から参加しています。スズキさんの衣装制作の過程に間近で立ち会った楠田。そのただ中で身体感覚が作り出す意匠の繊細さや、手仕事だからこそ生じるレースとレースの重なりの巧みな装飾への観察を通して、単なる製作記録に留まらない服と言葉への思索を試みます。
大学では研究の一環として楠田自らが衣服の制作、パフォーマンスに取り組んでいます。
以下、楠田自身が制作した衣服の写真記録です。
〈日常着〉
〈インスタレーション〉/「反復(縫いの暴力)」
〈パフォーマンスのために制作した衣装〉
楠田より執筆に際してコメントを頂きました。
"衣服制作という緻密で秩序だった行為の中に、いかに身体感覚という捉えどころのないものが入り込むのかということを主題に執筆を進めています。
スズキさんのウェディングドレスの制作過程を拝見していくなかで、繊細な布やレースを、計算してわりだされた分量をもとに扱うのみならず、そこに身体に蓄積された感覚、布に触れたときの手の感覚をのせるというひとつの方法がみえてきました。
そのような身体の感覚は、いかにして衣服に立ち上がってくるのか、言葉と衣服を軸にして、思索します。"
(尚、現在鋭意執筆中ですので内容は変更される可能性があります)
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そして、楠田が衣装制作に携わったスズキタカユキさんが 9月25日(日)23:00〜放映の「情熱大陸」(TBSテレビ)で取り上げられます!
私も詳細な内容は知り得ていないのですが、制作の現場やスズキさんの服にかける想い、最近活動を始めたインドネシアでの企画への密着取材の様子が放映されるようです。放映に先立って、「情熱大陸」のホームページでは9月25日放映予定の本編の予告を閲覧できます。
もしかすると第2号のテキストの内容を垣間見ることが出来るかもしれません。私も一視聴者として予告を拝見し、放映を楽しみにしています!
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以上、文鯨第2号の執筆者・楠田ひかりとデザイナー・スズキタカユキさんの紹介をお送りしました! お楽しみいただけましたでしょうか?
次回の更新では今年6月に荻窪・ブックカフェ6次元にて開催した 文鯨創刊記念イベント〜文鯨の夜〜 の様子をお届けする予定です。どうぞお楽しみに!