1167mm x 1820mmの絵を制作中です!
vol. 1 2016-10-11 0
こんにちは!石井七歩です。
今日は現在製作途中のF50号2枚(縦1167mm x 横1820mm)のキャンバスの写真を載せます!
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よく「下書きはしているのですか?」というご質問を受けるのですが、
下書きは絶対にしないことにしています。
下書きをしてしまうと予定調和な形状にならざるをえません。
もちろん予定調和が重要な絵(風景画や肖像画などの具象絵画)を描く場合には私も下書きをしますが、このドローイングにおいて重要視しているコンセプトは「抽象的な時間の流れ」なので、絶対に下書きをしないことにしています。
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私は、
時間は過去から未来に向かって流れているのではなく、現在から過去に向かって流れていると捉えたほうが、感覚的に正しいのではないかと思います。
現在この瞬間に描いた線が、たちまち過去の遺物となってキャンバスに染み込む。現在の行動が過去というカタチになって背後に流れ去ってゆくのです。
過去に定めた下書き(計画)に縛られ、それに従って現在を進むというのは、ドローイングの意味や活力を死なせてしまいます。下書きをしなくても、思想や信念がブレなければ見当違いな作品になることはありませんから大丈夫です!それが下書きをしない理由です。
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(↑以前、描いているところを動画にしたので是非ご覧ください!)
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ところで突然ですが
あたりまえのように「キャンバス」という言葉を使っているけれど、
そもそもキャンバスとは何なのか?
あまり調べる機会もないと思いますので、かんたんに説明させてください!
私は日常で使えない知識を取り入れるのが趣味なんです:)
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キャンバスとはそもそも帆布(麻や綿や合成繊維などでできた厚手の布)のこと。
使用前に地塗りなどをして、枠に張ったり、板に張ったりして絵画に使います。
木の枠に張ったものが最も一般的ですね。
キャンバスが普及したのはルネサンス期。
キャンバスに描かれた油絵として最も古い作品の1つは、1410年ごろにフランスで描かれました。
キャンバスが普及するより前は板に描く絵が主流でしたが、
15世紀のヴェネツィアの芸術家たちがキャンバスへ移行しはじめました。
ヴェネツィアのような湿度の高い気候では木が傷みやすいため、画家たちは船用の帆布を用いるようになったのです。
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(↑これは数年前の制作風景です。髪が長かったです...。)
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私が現在制作しているのはF50号サイズですが、
このキャンバスのサイズ表記、馴染みがないですよね。
紙ならばA4、B5などですが、Fなんていうのは聞き慣れないと思います。
数字の前につくアルファベットはそれぞれ、
F(Figure・人物)、P(Paysage・風景)、M(Marine・海景)、S(Square・正方形)という規格を表しています。
縦横の基準を「黄金比」で求められたのがMサイズです。
このMサイズ比を半分にしたものがFサイズ。
2分割しても比率が変わらず、縦と横の比率が1:√2なのがPサイズ。
F50号は1167mm x 910mmなのですが、なぜこんなに中途半端なのかというと、当時はメートル法ではなかったからです。メートル法が制定されたのは18世紀末のフランスですから、キャンバスの普及より300年も先ですね!
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私のキャンバス絵画も現在鋭意製作中なので、
ぜひ見にいらしてくださいね!
お読みいただき、ありがとうございました。
また更新します!
2016.10.11 石井七歩
http://nahoishii.com/
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