増山麗奈さんからメッセージが届きました~!
vol. 2 2013-11-27 0
12月のインド訪問時に、日本のアーティストからの「応援メッセージ」をインドへ届けます。
お一人めは、本プロジェクトのアートファシリテーターでもある増山麗奈さんからのメッセージです。
原発事故の真実を伝え、日本とインドの新世代がフェアな未来を生みだす
原発事故から3年近くの時間がたち、日本は原発を忘れ日常に戻ろうという力が強くなっています。
秘密保護法が制定されると、私たちは益々真実を知る事が難しくなります。
福島県の調査で疑い含め甲状腺癌と診断された子ども達が59人に増えるなど、被害は終わるどころか、悪化しています。
そんななか「子ども被災者支援法」は33市町村という狭い範囲の支援をするだけで、福島の他地域、東日本の汚染地域は放置されています。
そのような状況の中、福島に住んでいる子ども達、避難し家族や親戚、友人たちと切り離された子ども達は心や身体にたくさんのストレスを抱えています。
このプロジュエクトでは、福島の子ども達や母親たちが福島で起こっている事をインドへ伝え、インドの子ども達とが一緒にダンスやアートを通じて交流します。
子ども達の心と身体のストレスを、アートを通じ癒し、子ども達が自己を見つめ、たちあがるきっかけとなることを願っています。
福島の子ども達と一緒にパフォーマンスを行うのは、児童労働からの自立を支援するボーンフリーアートの子ども達です。
ボーンフリーアートスクールは、アーティストのジョン・デバラジさんと、中山実生さんが10年間から始めた学校です。
児童労働を行う子ども達とアーティストがともに暮らし、アートやパフォーマンスで生活費を稼ぎながら子ども達を学校に通わせています。
インドには、世界で最も多い一億2千万人の子ども達が児童労働をしています。
原発という不平等な事業の被害者として、社会の矛盾を感じている日本の子ども達は、
ボーンフリーの子ども達との交流によって、より大きな不平等さに気がつくでしょう。
今回の企画を通じて、全ての子ども達が安心して過ごせるフェアな世界のために何が出来るのか、
ひとりひとりが考え、行動するきっかけとなったら幸いです。
来年の夏には放射能を身体からデトックスし、心と身体を蘇らせるアートツアーを予定しています。
12月末からの今回スタディツアーに一緒に行ってくれるのは、福島から札幌に避難したYUZUKIちゃん(12歳)です。
福島からの避難者の仲間たち13人でダンスチームを行っている子です。
原発事故という辛い経験を経た今、YUZUKIちゃんが一番好きな事はダンスです。
札幌に避難したダンスチームの仲間は、インド行きにむけて、ダンスの動画づくりをしてくれています。
YUZUKIちゃんは関東から関西への自主避難したりあんちゃん(12歳)とインドで歌を歌います。
また、福島から京都に避難している萩原ゆきみさんは、国と東京電力を訴えて裁判をしていています。
原発事故が、社会をどのように切り裂いたのか、人びとがどのように立ち上がろうとしているのか、萩原さんの訴えをインドの方達に是非聞いてもらいたい。
広島、長崎でも、核実験場でも、チェルノブイリでもいつも被害者の声はかき消されてきました。
真実を知らされなかった人びとは、自分の所に被害が来なければと田舎に核の被害を押し付けました。
そのような隠蔽によって、原発や核兵器など核の産業は続いてきました。
たった一つしかない地球に、もうこれ以上核の被害を生んではいけないのです。
だから私たちは被害者の真実をインドに伝えます。
新しい世代の柔らかい感覚と希望のアートを作ります。
人と人が誠意をもってつながるとき、豊かな文化やフェアな社会への一歩となると信じています。
増山麗奈(画家)