画づくりを担う”スタジオ石”
vol. 10 2015-11-17 0
途絶えがちだったクルーからの通信が何日振りかに届いた。イサーンでの撮影は山場を越えたようだ。タイ人キャストが撮影日を一日間違えてやってきてしまうなど、彼の地ならではのアクシデントも多発したようだが、とにかくなんとか撮影は進行している。
スタッフのひとりからこんな一言があった。
監督とスタジオ石の化学変化が何か面白いカットを生み出しているような気がします。
スタジオ石。MMMと麿という2人からなる映像制作ユニット。彼らこそが『バンコクナイツ』の撮影における心臓部ともいうべき役割を担う若き俊英である。
バンコクへ発つMMM
カメラと共に麿
同郷という縁もあり今回の撮影オファーと相成った。と巷では言われているが、実際のところは2人の撮る映像に惚れ込んだ富田監督が地元の先輩という強権を振りかざして否も応もなく巻き込んだ、というのがどうやら事の真相のようである。
彼らが空族の前作である「サウダーヂ」に出演していたことは周知の事実であるが、こんなスピンオフ作品が作られていたことをご存知だろうか。
これが実質的に空族とコラボレーションした初の映像作品となる。
持ち味である"いなたい"がどこか温もりを感じさせる映像の中に時折フと才気走ったカットが差し挟まれ、気が付くとハートを持って行かれた状態に。思わず観ている側もにやりとしてしまうのが彼らの真骨頂。
富田監督をはじめとするクルーとどんな化学反応を見せるかが『バンコクナイツ』の鍵でもあり、大きな見所ともなる。
2人は地元山梨は一宮市で結成され、音楽好きやヒップホップファンのみならず広範なリスナーを獲得している、山梨が生んだウータンクラン"stillichimiya"のメンバーでもある。
彼らの代表作でもあり、個人的には"B-BOYイズム"に匹敵するParty Anthemだと感じている"やべ~勢いですげー盛り上がる"を紹介して筆を置きたい。もちろん映像はスタジオ石による突き抜けた1本だ。
化学反応が楽しみではないだろうか。
(RT)