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vol. 22 2026-02-02 0
バタ男さん
「失礼ですが、バタ男さんって今おいくつ、なんですか」
見た目は四〇そこそこだが、バタ男の持つ雰囲気が、会う人会う人にこの質問をさせるのだろう。必ずといっていいくらいこう聞かれるバタ男は、いつでも正直に答える。
「今年で二五〇歳になります」
たいていの人はそれを聞いて笑うが、なかには呆れたり少々ムッとする人もいる。バタ男はそんな時、軽く袖をまくって相手に手の平を見せる。するとそこには、手首を越えてもなお、二の腕に向かって伸びている途切れていない生命線があり、それを見た呆れたりムッとしていた人達の顔は、一様に苦笑の混じった驚きの表情に変化する。
バタ男はある日、一人の老人に声をかけられた。
「長い生命線を持っているという男は君かね」
「いえ、違いますが」
ろくなことにならないとバタ男は直感した。
すると老人は穏やかに笑った。「面倒なことに巻き込んだりはせんよ。これから奈良へ行こう。ついてきなさい。」
老人はそう言い、スタスタと歩き出した。
